結果
書類の作成・修正業務を月 10 時間程度削減
現在は、Dropbox に現場ごとのフォルダを作り、ここに図面や工事打合せ簿などのファイルを保管できるようにしています。あえて厳密なアクセス権限設定を行わず、担当以外の現場のファイルも確認できるようにすることで、“引き出し”の効果を高めています。同社が多く手掛ける公共事業は、自治体や官庁から請け負う仕事のため、提出書類には厳格なルールが求められます。工事打合せ簿の作成にも高いスキルが要求されますが、Dropbox を使い始めてから、工事打合せ簿に関する問い合わせ件数や修正の回数は減少傾向にあるそうです。
「ベテランから若手まで、誰もが正しい状態の書類を確認して、工事打合せ簿を作成できるようになった効果は大きいです。また、担当者がすぐ手を動かせない場合などは、修正作業を社内の別の人に頼むことも容易になりました」と西口氏。
資料や書類の作成・修正に関わる業務は、月に 10 時間ほど削減できています。ペーパーレス化も進んでいます。Dropbox の浸透にともない、図面や工事打合せ簿を紙に印刷して持ち歩くケースが減ったほか、常に最新のファイルをタブレットで確認できるようになり業務効率も上がっています。
「工事打合せ簿は 1 ファイル 20~30 ページあるワードファイルで、1 現場で 200 回以上作成するケースもあります。そのほか図面データや、現場で撮影した画像などもあるため、特に工期の後半は、PC のハードディスク容量がひっ迫して動作が遅くなることがありました。Dropbox の導入後は、そうした事態も解消できています」
と西山氏は付け加えます。PC 入れ替えの頻度も下げられているそうです。
さらに社外とのファイル共有も容易になりました。Dropbox 上に外部共有フォルダを作成し、そこにアクセスしてもらえばよいからです。例えば協力会社とのやりとりは、以前はメールにファイルを添付して送付し、確認を依頼していました。現在はフォルダを使って簡単に、かつ常に最新のデータを確認してもらえるようになっています。また、相手が作ったファイルをもらう際も、フォルダにアップロードしてもらうだけで済みます。今はまだ西山氏をはじめとする一部の社員が行っているのみですが、このような利用が広まれば、さらに得られる効果は増大するでしょう。
「『Dropbox Paper』など、使いこなせていない機能はまだたくさんあります。Dropbox にはぜひ、より効果的な使い方を提案してもらいたいですね」(西口氏)。
ノウハウや知見の詰まった引き出しとしての利用から、より多彩なファイル共有基盤としての活用へ。今後も Dropbox が、同社の業務を支えていくことでしょう。