ポジティブ フィードバックを行う方法

建設的な内容のポジティブ フィードバックを活用すれば、成長と能力開発を最大限に促すことができます。

ポジティブ フィードバックが重要である理由

フィードバックは、どんな職場にも欠かせない重要なプロセスです。しかし実践にあたっては、正しい方法と間違った方法があります。正しい方法であるポジティブ フィードバックは、具体的な問題解決策の土台になり、最終的にはキャリア開発にもつながります。

基本的に、意味のあるフィードバックは職場で強く必要とされるものです。そのようなフィードバックがあれば、社員は自分のパフォーマンスや長所と短所、期待される行動を自覚し、理解することができます。ただし、フィードバックによるメリットを得るためには、建設的な方法でフィードバックを伝えなければなりません。

否定的な内容のネガティブ フィードバックは、それ自体に問題があるわけではありません。むしろ、必要なものです。ハーバード ビジネス レビューの調査によると、調査対象となった社員の 57 % は、ポジティブなだけの肯定の言葉よりも、問題を正すようなフィードバックを受け取りたいと回答しています。ポジティブな刺激には、チームのモチベーションと自信を維持し、自分の価値を当人に理解させる効果があります。一方、ネガティブなフィードバックには、継続的な成長と能力開発を促す効果があります。

自分に弱点があるという事実にさえ気付いていない人に、弱点の克服を期待することはできません。企業は例外なく継続的な改善を目指すべきですが、それを実現するためには、社員一人ひとりが解決に取り組むべき自身の課題を常に把握できるようにする確固たるフィードバックの仕組みが欠かせません。

ただし、建設的でない方法でフィードバックを伝えると、リーダーとチーム メンバーの間に存在するネガティブな思考や態度、不安な気持ちを強化することになりかねません。それは当然、仕事にも悪影響を及ぼします。ネガティブなだけのフィードバックが成長を促すことはありません。どのような形であれ、ポジティブな結果を生むこともありません。どんなときでも、フィードバックは建設的に行うことを優先的に考える必要があります。

フィードバックを建設的に行うには

建設的なポジティブ フィードバックを行うためには、いくつかの手順と抑えるべきポイントをあらかじめ理解しておく必要があります。誤った方法でフィードバックを行うと、チーム メンバーが無力感を覚えたり、正当に評価されていないという気持ちになったりする可能性があります。フィードバックの目標は、問題を正しく認識して対処してもらうことであり、最終的にポジティブな改善に向けて取り組んでもらうことにあります。この点を忘れないようにしてください。

タイムリーに、しかし準備は忘れずに

フィードバックは、必ずタイムリーに行う必要があります。問題が起きたらすぐに対処すべきですが、とは言え焦って準備もなしに解決しようとしてはなりません。

誰かに問題を指摘する前に、まずそれを自分自身が十分に理解しましょう。その問題に対して少しでも感情的になっているのなら、急いでフィードバックすべきではありません。ほんのわずかでも攻撃性を示してしまったら、建設的なフィードバックにはなりません。一歩引いて客観的に問題を見つめることがまだできていないのなら、実りある対話をすることはできないでしょう。

フィードバックの前に自分の考えをまとめ、問題を正確に理解するよう努め、自分が興奮して問題を過大に捉えていないかどうかを自問してください。そして、問題の内容とそれがビジネスに与える影響を正確に説明する準備が整っているかどうかを確認しましょう。

できれば対面で

問題の是正を求めるフィードバックは、誤解の余地なく、明快に伝える必要があります。したがって、できれば対面で行うようにしてください。これは特に、勤務評定など全体的なパフォーマンスに関わるフィードバックを行う場合に重要となります。後述する特定の作業(文書に対するレビューなど)に対するフィードバックに関してはこの限りではありません。

もちろん、常に直接会ってフィードバックできるわけではないでしょう。それでも、パフォーマンスに関するネガティブなフィードバックを行う場合は、メールやチャットよりも、Zoom などによる顔を合わせたコミュニケーションがベターです。ネガティブなフィードバックをテキストベースで行うと、誤解が生じやすく、対話というより単なる自己主張に終始しがちだからです。

表情や身振り手振り、口調といった要素は、相手を尊重しながら建設的にフィードバックを行ううえで、いずれも重要な役割を果たします。

大げさにしない

フィードバックを伝えるときは、いつもの会話と同じようなトーンで話しましょう。フィードバックを伝えるからといって、普段よりかしこまる必要はありません。逆に、日頃から堅い雰囲気で接しているのであれば、突然親しげに振る舞う必要はありません。

伝えるべきことは伝えつつ、友好的な雰囲気でフィードバックを行うと、相手に不安感を抱かせずに済み、「あなたのことを思って伝えているのだ」という自分の気持ちを表すことができます。

対話の際に、威嚇的な態度や怒りの感情を示さないように注意してください。目下の問題がビジネスやチーム、個人に対してどのようにネガティブな影響を与える可能性があるかをわかりやすく説明しつつ、共感を示すようにしましょう。

具体的かつ率直に

フィードバックは、いつでも具体的でなければなりません。解決する必要のある特定の問題と、その対になる明確な目標を示す必要があります。プロセスを構成するステップを 1 つずつ検討し、何が間違っているのかを相手との共同作業で明らかにしていきましょう。目下の問題にはっきりと焦点を当てるためには、できるだけ正確、明確に物事を把握して説明する必要があります。

単に「もっと改善が必要だ」と伝えるだけでは、問題を解決する助けにはなりません。改善が必要な箇所を明確に示し、そのために何をする必要があるのかを相手が正確に理解できるようにする必要があります。

また、ネガティブなフィードバックを行う場合は、ポジティブなフィードバックでバランスを取らなければならないと思うかもしれませんが、それは逆効果になりかねません。フィードバックは、率直かつ的確な内容で、継続的な改善と成長を促すものであるべきです。建設的なフィードバックを目指すなら、交渉術として無理にポジティブな点を探し出そうとする必要はありません。

対話を心がける

コミュニケーション スキル全般はどのような仕事にも必要なものですが、建設的な批判を行う場合には特に重要となります。

ポジティブ フィードバックは、一方向の会話ではありません。確かにあなたは、フィードバックを伝える側ではありますが、フィードバックを受ける相手に状況を説明する機会を与えることは絶対に必要です。問題がどのように起きたのかを相手が説明することを、つまらない言い訳や保身と捉えるべきではありません。

あなたが指摘している問題は、単なる誤解が原因なのかもしれません。それでも、しっかりとした対話を通じて、どこで間違いが起きたのかを正確に理解する必要があります。

自分が一方的に話をしているだけでは、相手が問題を正しく理解し、克服すべき具体的な点を本当に把握したかどうかを確かめることはできません。相手の考えを理解することは、解決へのアプローチを探るために重要です。

自分が問題を説明し終えたら、その内容を相手に要約してもらいましょう。話したことがきちんと伝わっているかどうかを確認できます。

個人の問題にしない

フィードバックの内容が、特定の作業についてではなく、相手の振る舞いや姿勢に関係している場合は、フィードバックの伝え方に特に注意が必要です。相手が人格攻撃を受けているような気持ちにならないように工夫してください。

感情的にフィードバックするのではなく、相手の不適切な振る舞いが組織としての目標にどう悪影響を与えるかを説明することに焦点を当てましょう。「あなたの振る舞いは好ましくない」と指摘するのではなく、「この作業は求められる水準を満たしていない。なぜなら…」というように説明します。

会話のテーマは、相手個人ではなく作業内容にすることを忘れないようにしてください。たとえば、編集が許容基準を満たしていなかった動画コンテンツについてフィードバックする場合は、あくまでもコンテンツや品質に関するミスをフィードバックの対象とします。当人のスキルや能力に焦点を当ててはなりません。

解決に向けて取り組む

フィードバックは、問題を説明したところで終わってしまってはあまり意味がありません。その後には必ず、問題の再発防止策について話し合う必要があります。フィードバックの相手と一緒に現実的な目標を設定し、具体的な提案をします。ただし、すべきことを一方的に伝えるのではなく、当人に解決策を検討する余地を与えてください。

個々の作業に対するポジティブ フィードバック

フィードバックは、ほとんどすべての作業に対して行うことができますが、これを常に 1 対 1 の対話で行う必要はありません。文書に対するレビューなど特定の作業に対するフィードバックは、リアルタイムの注釈やメモを継続的に追加できるツールやサービスを使うとより効率的です。

Dropbox では、あらゆるファイルに直接注釈を付けることができるので、大量のメールのやり取り、際限のないフォローアップの電話やチーム会議、更新されたファイルの定期的なダウンロードといった面倒な作業が不要になります。チームに必要なシステムを柔軟に構築でき、たとえば絵文字を使って手早く気軽に、楽しみながらフィードバックできるシンプルな仕組みを作ることも可能です。

このため、メモの確認に必要以上の時間を費やすことなく、柔軟にコラボレーション作業ができます。作業ファイルにコメントを追加する、フィードバック ループに参加できるチーム メンバーを指定する、バージョン履歴を使って初期の草稿に戻す、フィードバックに応じて加えられた変更を追跡する、といった作業を簡単に実施できます。

称賛を忘れない

これまでに、ネガティブ寄りのフィードバックをいかにして伝えるかを主に紹介し、ネガティブとポジティブのバランスを厳密に取ろうとする必要はないと説明しました。しかし、社員のモチベーションを維持するためには、やはりポジティブなフィードバックを伝えることも大切です。チーム メンバーの頑張りを決して見過ごしていないことを、常日頃から伝えるようにしましょう。自分の仕事がうまくいっていることを認識できれば、モチベーションの維持はずっと簡単です。