効率的なドキュメントのバージョン管理

チームが常に最新バージョンのファイルで作業できる、機能的なバージョン管理システムの構築を支援します。

業務で発生するバージョン管理

昨今の組織のチームは、部門、オフィス、国境、タイムゾーンを超えたコラボレーションを行い、同一のドキュメントを操作しています。このような状況がこれだけ普及しているにもかかわらず、多数の異なるバージョンの作業ファイルを管理することに苦労するチームが後を絶ちません。ドキュメントに「最終版」ラベルが付けられたと思ったら、次の瞬間に「最終版 2」に変わっていたことはありませんか?最新のファイルを探し、変更を追跡することに時間を取られているチームは、適切なバージョン管理システムを構築する機会を逃しているのかもしれません。

バージョン管理とは

バージョン管理とは、ファイルの複数のバージョンを長期的に管理するプロセスであり、通常はバージョン管理システムを使用して行われます。もともとはソフトウェア開発分野で、コードの変更管理のために登場したシステムですが、そこからイメージされるほど複雑なものではありません。変更を追跡し、過去のすべてのバージョンにいつでもアクセスできるようにするソフトウェアを使ってもよいですし、各バージョンを個別に保管するためのフォルダ アーキテクチャなど、ファイルの作業ルールをまとめたものでもかまいません。

バージョン管理システムの用途は、ソフトウェア開発の分野にとどまりません。たとえば、ドキュメントのバージョン管理では、ライターがコンテンツのさまざまな草稿を管理でき、グラフィック デザイナーはデザイン ファイルへの変更を追跡できます。

バージョン管理機能を備えたドキュメント管理システムの構築

バージョン管理を行うためのアプローチは、チームのニーズや組織の規模に応じてさまざまです。ほとんどの人は、送信するファイルのバージョンを単純に相手に伝えるか、ドキュメントに自分のイニシャルや「確認済」といったラベルを付けます。ドキュメントのラベル付け方法は千差万別ですので、このアプローチでは、たった 2 名で作業している場合でもすぐに混乱が発生します。まして、より大規模なチームや組織では言うまでもありません。このことからも、チームのファイルを管理するために決まったアプローチが必要なことがわかります。

命名規則

当たり前に思えるかもしれませんが、厳格な命名規則を定め、チームで従うことが、バージョン管理では不可欠です。まず第一に、命名規則は一貫性があり、ファイルにアクセスする全員にとって明確である必要があります。ただし、命名規則はチームがこれらのファイルをどのように扱うかに基づいて決める必要があります。たとえば、ドキュメントを整理する際に、ドキュメントの日付が最も重要な要素になるのであれば、ファイル名を日付で始める必要があります。日付は、チームのドキュメントをフィルタリングして検索する方法としては最も一般的です。さらに、ファイル名には、ドキュメントの内容を理解するために最も重要な情報を含める必要があります。もちろん、バージョン管理システムとして命名規則だけを使用する場合は、たくさんのバージョンに対応できるナンバリング システムを採用することも必要です。

情報アーキテクチャ

チームにとって便利なドキュメントのラベリング方法を決定したら、そのドキュメントを安全に保管するため、容易にアクセスできるシステムが必要になります。そこで情報アーキテクチャが登場します。情報アーキテクチャとは、単純に言えば情報を保管するために使用するフォルダやファイルのレイアウトです。もちろん、命名規則も重要な役割を果たします。ファイル名を厳格に整理していても、「仕事」という漠然としたタイトルのフォルダに入っていたら意味がありません。情報アーキテクチャは、誰がこれらのファイルにアクセスできるかという定義も扱います。組織の全員がすべてのファイルにアクセスできる必要はないからです。

一般的に、この問題に対処する最善の方法は、共有ファイル ストレージ ソリューションを使用することです。Dropbox Business のチーム フォルダは、安全な情報アーキテクチャを作成します。Dropbox 内の特定のチームを割り当てることで、チームの作業用リポジトリを作成し、チーム内外のスタッフに特定のアクセス権限を付与することができます。そのため、ファイルが許可なく変更されることがなくなり、さまざまなバージョンのファイルを安全にアーカイブすることができます。

バージョン管理ソフトウェア

命名規則と情報アーキテクチャは、成功するドキュメント管理システムの基礎となります。しかし、これらをバージョン管理の主要な方法として使用した場合、逆に時間を取られることになりかねません。バージョン管理ソフトウェアなら、バージョン管理に関する多くのプロセスを自動化し、命名規則だけでは不可能な付加価値が得られます。

少なくとも、バージョン管理ソフトウェアはファイルの以前のバージョンをすべて自動的に保存してくれます。これらのファイルはいつでもアクセスでき、任意の時点のバージョンに戻すこともできます。また、現在のバージョンのファイルのバックアップとしても機能します。チーム メンバーは、バージョン管理ソフトウェアを使用して個別のファイルで同時に作業を行ってから、最新のバージョンに更新することができます。このため、変更を結合し、ファイルの競合を解決する作業が簡単になります。

一言でまとめると、バージョン管理ソフトウェアは、ファイルのバージョン管理プロセス全体を簡素化し、これらのファイルを使うチームにさらなるメリットをもたらします。

バージョン管理がチームに必要となる理由

共同作業でドキュメントを扱う場合、足並みを揃えて作業するには、何らかの形でのバージョン管理が欠かせません。完成したドキュメントをリリースするには、どのファイルが本当の最終バージョンかを把握する必要がありますが、重要なことはそれだけではありません。適切なソフトウェアを使用し、ファイルのバージョンを適切に管理することが、あらゆる規模の組織で時間のロスを防ぎ、プロセスをスピードアップするために必要となります。

ファイルのすべてのバージョンを保持

バージョン管理の最大のメリットは、プロジェクトのワークフローの最初から最後まで、ファイルのすべてのバージョンを保持できることです。バージョン間の違いをチェックし、すべての変更が確定されていることを確認できます。最終バージョンの内容が確かに最終形態であり、前日の真夜中に追加されたものでないことを確信できます。

プロジェクトが完了し、チームの作業を振り返って確認する際にもバージョン履歴が重要となります。この場合、ドキュメントのバージョン管理はプロジェクト期間中のチーム作業の監査証跡として機能し、各段階におけるチーム メンバーの進捗を詳細に把握できます。特に今後の作業の合理化を検討する場合、その情報を参考に、プロセスの問題をより的確に診断することができます。

ファイルの取り扱いと編集を安全に

誰かが許可なくファイルを上書きした、あるいはファイルを誤って削除してしまった。これ以上にチームの作業を遅らせる事態はそうそうありません。こうなると、オリジナルのファイルが見つかることを祈りながら、メールを探し回る以外にできることはありません。しかしバージョン管理システムでは、ファイルのバージョンがあらゆる変更段階で保持されるので、祈る代わりに簡単にバックアップを利用できます。Dropbox のファイル復元では、チーム メンバーが間違ってファイルを変更または削除した場合、必要に応じていつでも前のバージョンに戻すことができます。ファイルが消えてなくなることや、変更を元に戻せなくなることを心配する必要はありません。

チーム メンバーによる変更を監視

大人数のチームが一緒に作業していると、誰がいつ、何に対して変更を行ったかを把握することが不可欠です。通常、共有ドキュメントには誰が最後にドキュメントを編集したかについての情報は含まれますが、その他の作業を行ったチーム メンバーの情報が含まれているとは限りません。こうしたケースでは、誰がファイルを開いたか、どのような編集を行ったかを複数のメンバーにメールで尋ねるという無駄な時間が発生してしまいます。

ファイルの変更やドキュメントのバージョンをチーム メンバーが管理する必要があるなら、バージョン管理ソフトウェアの出番です。たとえば、Dropbox のバージョン管理を使用すると、すべてのファイルの変更が表示され、チーム メンバーのメール アドレスやアカウントと直接関連付けられます。誰かがファイルを編集すると通知が送信され、どのような変更が行われたかを確認できます。共有フォルダ内のファイルを移動または削除した場合も同様です。

このレベルのバージョン管理を行えば、より透明なプロセスでファイルを管理でき、これらのファイルに対するチームの責任感も生まれます。チーム メンバーがいつファイルで作業を開始したか、または誰かが間違って何かを変更したかを把握できます。ファイルの変更は担当者がすばやくチェックできるため、煩わしいメールが送られることも、Slack のチーム全体にアラートが送られることもありません。

組織の情報を 1 か所に

別の場所、または規制の厳しい場所で業務を行うチームと一緒に働く場合、全員の足並みを揃えることが重要になります。しかし、情報が一元管理され容易にアクセス可能な状態でなければ、チームが最新情報を共有できなくなり、メンバーが孤立するのも時間の問題です。適切な情報アーキテクチャとバージョン管理を組み合わせることで、組織のすべての部門で共有する情報源を作成し、維持することができます。

バージョン管理では、更新されたドキュメントを何度も送信するのではなく、組織の全員が参照できる 1 つの一元管理されたドキュメントを維持できます。Dropbox なら、たとえば人事ガイドラインを単独の共有フォルダに保管し、特定のアクセス権限を各チーム メンバーに付与することができます。これらのファイルを更新する際、チーム メンバーは同一の情報源の中から最新の情報を見つけることができ、編集者は古くなったすべての情報の記録を管理できます。情報が安全に保管およびバックアップされ、必要なときに誰もがアクセスできるシンプルな方法です。

バージョン管理でプロセスを自動化し、スピードアップ

もちろん、プロセス最適化の目標は、マネージャーとチーム メンバーの両方が物事をより簡単に、短時間で進められるようにすることです。ドキュメントのバージョン管理では、その導入直後からチームの即応性を高めることができます。誰もが最新情報を把握し、協力して作業に取り組めるだけでなく、ファイルの取り扱いミスによって引き起こされるダウンタイムを防止できるシステムが実現します。

監視機能、透明性、セキュリティという付加価値をもたらすバージョン管理システムは、常に最新バージョンのファイルで作業しているという安心感を得られるだけではありません。チーム プロセスに関するインサイトを把握し、改善に役立てることで、組織全体の足並みをこれまで以上に揃えることができます。