職場でのソフト スキル

ソフト スキルをご存じですか?その概要と、仕事で成功を収めるためにソフト スキルが重要である理由をご紹介します。

ソフト スキルとは

人材採用において、経験豊富という点を最重視するのは、最も論理的で賢明な採用基準だと思われるかもしれません。しかし、採用した人物がチーム メンバーとして優秀であるかどうかは、資格や経験だけで決まるものではありません。考慮すべき点は他にもたくさんあります。効果的で効率的なチームを作り上げるためには、ソフト スキルとハード スキルという 2 つのスキルの違いと、ソフト スキルが絶対的に重要である理由を理解する必要があります。

ビジネスの世界はめまぐるしいスピードで変化し続けており、「キャリア」という言葉の意味も従来とは変化し、新たな意味を持つようになっています。そうした中、重要性を増しているのが、ポストや業種を問わず多様な領域で活かせるスキルを身に付けることです。

ハード スキルは「職務に役立つスキル」であり、ソフト スキルは履歴書の空白を埋めるためのスキルに過ぎない。ハード スキルとソフト スキルは、これまでそんな風に見なされてきました。しかしいくつかの調査によると、最近の人事担当者は、理想の人材を選ぶにあたり、ハード スキルよりもソフト スキルを重視する傾向が高まっているようです。

測定可能で具体的な技能であるハード スキルは、どのようなポストでも重要ではあるものの、「優れた人材」であるかどうかを左右する決定的な要因ではなくなっているというのです。ハード スキルとは、たとえば数学的能力や読解力、言語能力、コンピュータ スキルに代表される、技術的な能力のことを指します。

一方のソフト スキルは人格的な特徴や特性であり、ハード スキルに比べると数値化は困難です。しかし、職場などでの重要性は、ハード スキルと同等、時にはそれ以上であると言われるようになっています。ソフト スキルの根幹にあるのは、その人物の振る舞いや姿勢、価値観です。

ハード スキルは仕事の成果物の品質に大きく影響し、ソフト スキルは職場における人間関係や組織文化、コミュニティの確立に貢献します。しかしソフト スキルは、特にコラボレーションで作業している場合、成果物にも間違いなく好影響をもたらします。

特に重要なソフト スキル

ソフト スキルとは、対人スキルや物事に対する前向きな姿勢のことだけを指すのではありません。以下に挙げる主なソフト スキルの中には、互いに関係しているものや、多くの原則と適用範囲を共有しているものもあります。「これが最も大切」というソフト スキルを 1 つだけ挙げることはできませんし、このリストも決定版というわけではありません。しかし現代の職場環境では、ここに示したソフト スキルが特に価値のある個人的な特質であるとされています。

ソフト スキルの例
1. 心の知能指数

心の知能指数は、紛争解決能力やソーシャル スキル、自己認識、思いやり、共感など、ソフト スキルにおいて重要な多くの特性を表す概念です。

優れた心の知能指数の持ち主は、自分自身と周囲の人々の感情を判断、理解、管理する能力を備えています。プレッシャーをうまく受け止め、対処しながら、他者の心を落ち着かせることができ、自分自身の振る舞いが職場にどのような影響を与えるかを理解しています。このソフト スキルは良好な対人関係を築くのに役立ち、チームの生産性とパフォーマンスを引き上げる効果を発揮します。

心の知能指数に優れる人の多くは、卓越した傾聴能力を兼ね備えています。他者の話に積極的に耳を傾ける姿勢は、職場のコミュニケーションをオープンで生産的なものにしますが、こうした環境で働くチームのメンバーは「自分は存在を認められ、理解され、評価されている」と感じることができます。

2. コミュニケーション

コミュニケーション スキルは職場では欠かせない技術です。このスキルは、オープンで友好的な雰囲気を作るのに効果的なだけでなく、端的で明快な成果物を生み出すことにも貢献します。

効果的なコミュニケーションの仕方を知っているチームは、組織的に効率よく作業し、互いのアイデアや考え方を正しく理解することができます。コミュニケーション スキルがあるというのは、単に話し上手であるということではありません。コミュニケーションの手段は、口頭以外にもいろいろあります。話す、書くなどの手段を問わず、複雑なアイデアをスムーズに伝え、大切なメッセージを明快かつ簡潔に伝達できれば、ミスを最小限に抑え、仕事を最大限に効率化できます。

効果的なコラボレーションは、効率的なコミュニケーションなしには決して成り立ちません。テレワークによるデジタルな作業スタイルが当たり前になりつつある今、コミュニケーションの重要性は増すばかりです。ソフト スキルに秀でていれば、たとえお互いが離れた場所にいても緊密に共同作業ができます。Dropbox のようなツールは、コミュニケーションとコラボレーションを促進、改善するように設計されていますが、こうしたツールを最大限に有効活用するには、それに見合うソフト スキルを備えることが鍵となります。

3. チームワークと互いの尊重

優れたチーム プレイヤーとは、周囲の期待以上の働きをして、チーム全体の目標達成に貢献するような人物を言います。そのためには、利己的な気持ちを脇に置き、一緒に働く仲間を心から思いやり、チームの柔軟性と団結力を保つために必要な策を講じ、個人としての利益よりもチームとしての利益を優先する必要があります。真のチーム プレイヤーは互いにオープンで誠実であり、さまざまな場面で信頼感と献身性を示します。

チーム メンバーがお互いを尊重することは絶対に欠かせません。つまり、異なるものの見方や意見を尊重し、それぞれの責任を尊重し、それぞれの仕事を尊重するということです。互いを尊重しない職場からは、尊重に値する成果は決して生まれません。

4. 柔軟性と創造性

新しい環境や課題に適応する能力は、大きな価値のある特質です。どんな仕事、会社、業種でも、予期しないことは起こり得ると心得ておく必要があります。何が起きるとしても、適応できるだけの柔軟性を身に付けましょう。新しいテクノロジーやシステム、仕組み、あるいはプロジェクトなど、予期しない出来事が何であっても、柔軟に対応できることがチームとして成功を収めるための鍵となります。

変化し続ける現代ビジネスにおいて、同じように大切なのが創造性です。既成概念にとらわれずに思考し、画期的なコンセプトやアイデアを練る能力は、どんなチームでも重宝され、頼りにされることでしょう。問題の内容によってはまったく新しい解決策が必要となりますが、創造性はそのようなときに革新と進歩をもたらします。創造的に思考するメンバーの存在こそが、チームの成長と発展を可能にするのです。

5. 問題解決法とクリティカル シンキング

問題解決スキルは、柔軟性と創造性の力を借りながら、問題を細かく分解し、それらを解決するための直接的で論理的な策を実施する能力です。予期しない問題に対する生産的で合理的な解決策を生み出す力がチームにあるとわかっていれば、職場に対するメンバーの信頼感が高まり、ストレスや負担感なく困難な課題に取り組めるようになります。

問題を深く精査し、論理的かつ体系的なアプローチでその機微を分析、評価する能力があれば、考えられる中で最も効果的な解決策にたどり着く可能性が高まります。またクリティカル シンキングでは、問題をあらゆる角度から完全に解体することで、本能や直感に基づく意思決定を下さずに済むようになります。

6. リーダーシップ

リーダーシップのスキルは、会社組織における役職やポストに関係なく、すべての役割に必要不可欠なものです。チーム リーダーはメンバーに対し、モチベーションと意欲にあふれ、目標に向かって行動することを期待し、その成長と発展を刺激したいと考えます。チームの各メンバーがしっかりとしたリーダーシップ スキルを持っていれば、リーダーは誰にでもチームの管理を任せられるという安心感を得ることができます。

チームに新たなメンバーを引き入れるリーダーは、長期の事業計画にそのメンバーの姿があってほしいと願うものです。成長する意欲を持ち、成長に向けた準備をし、そのための場とツールを確保したチームをリーダーは望みます。

優れたリーダーは単に指示を出すだけではなく、チームを刺激し、動機を与え、ともに働く相手への配慮を示します。リーダーシップは、上司やマネージャー、責任者の特権ではありません。そうした立場でなくても、リーダーシップ スキルがあれば、小さなプロジェクトやタスクの責任者として権限を委ねることができます。

7. 時間管理と組織

「仕事が速く、しかも質を犠牲にしない」とチーム メンバーを信頼できることはとても重要です。時間管理とは、単に遅刻をしないとか締め切りを守るといったことに限りません。優先順位の付け方やスケジュール管理の方法、時間を最大限に活用する方法を理解することも含まれます。うまく時間を管理できれば、生産性や作業効率が高まるだけでなく、成果物の品質にも好影響が表れます。

雑然とした状況は仕事の大敵です。それはオフィス環境でも、デジタル環境でも、頭の中でも変わりません。物事を整理整頓することは、作業の場や時間、負担の量を効率よく管理する方法を理解することにつながります。きちんと整理整頓できていれば、効率向上のための仕組みや体系を確立してそれを維持できるようになり、状況に圧倒される、あるいはプロセスが混乱するといった事態を防ぐことができます。

8. モチベーションと労働倫理

チーム リーダーは、自分を含めチームのメンバーから最大限の力を引き出したいと思うものです。そのための 1 つの方法としては、メンバーのモチベーションを理解し、刺激し、うまく利用するのが有効です。

たとえばスキルの高い開発者は、それだけで大きな価値があると思われるかもしれません。しかし開発者本人に「ベストを尽くそう」という意欲がなければ、その能力の高さは成果物には反映されません。

働く人のモチベーションは、個人的な成果と仕事上の成果の影響を受ける場合がありますが、それがあるべき姿です。チーム リーダーは、メンバーが現在の仕事に強い熱意を抱いているどうかを把握する必要があります。もしメンバーが仕事への情熱を持っておらず、チームや会社全体としての目標達成に全力を尽くしていなければ、最大限の力を発揮することはできないでしょう。

労働倫理も、モチベーションと非常によく似た概念です。労働倫理観の高い人は、自分がしている仕事を楽しみ、自分の責任を理解し、それを受け入れます。自分を律し、集中し、常にプロフェッショナルであろうとします。高い労働倫理と強いモチベーションの持ち主は、努力は報われると考えており、仕事のあらゆる側面に全力で取り組みます。

オンラインでもソフト スキルを発揮

ソフト スキルは、他者と直接顔を合わせる場面でしか発揮できないと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。テレワークをしているときや、オンラインでコラボレーションしているときでも、さまざまな方法でソフト スキルを発揮できます。世界中の企業でテレワークが広がる今、オンラインのコラボレーションを生き生きとした生産的な取り組みにするために、ソフト スキルはますます重要な技術になっています。

ファイルを効果的に整理する、ツールを使ってタスクを管理する、チーム内での活発なコミュニケーションを促進するなど、目的が何であれ、Dropbox を使えば、ソフト スキルを効果的に発揮しながら、オンラインでのチーム作業を簡単に効率化できます。

ソフト スキルを重視して熱意にあふれる職場に

ここに挙げたのは、キャリアで大きな成功を収めるために利用できる、重要なスキルのほんの一例に過ぎません。

特定の作業がどれほど得意でも、優れたソフト スキルを備えていなければ、チーム メンバーとして高い評価を受けることは難しいでしょう。会社の目標とビジョンを理解する、作業の目的を把握する、アイデアを正しく伝達または理解する、快適で安心できる職場を作る、メンバーに最大限の力を発揮してもらう。このどれを実現するのにも、ソフト スキルは欠かせません。

もちろん、技術的なスキルは重要ではない、という意味ではありません。しかし、優れたソフト スキルを兼ね備えていなければ、技術的なスキルを発揮する機会は得られません。

雇用主として、職務記述書や面接時の質問を作成する場合も、ソフト スキルを念頭に置き、それが経験や専門知識と同等以上に重要であることを明確に示す必要があります。履歴書の送付状に目を通すとき、履歴書を確認するとき、面接を実施するときは、資格やその職能での経験以外の点にも目を向け、対人スキル、姿勢、価値観をチェックしましょう。

ソフト スキルを考慮して人材を採用すれば、メンバー全員が「自分は評価され、信頼されている」と感じることのできる、柔軟で効率的、生産的、そして熱意にあふれる職場を作り上げることができます。