大容量のマルチメディアコンテンツの共有基盤として、Dropbox Business を採用。社内外のユーザーとの活用により、データデリバリーのコストを大幅に低減しています。

株式会社エヌ・オー・シーの Dropbox 導入の主な成果

データ容量を気にすることなくアップロード

国内外のプロジェクトメンバーから安全かつ迅速にデータを入手

同期が速く、フォルダ感覚で使えるデスクトップアプリを活用

導入の目的

大容量のプロジェクトデータを国内外のメンバーとやり取り

1974年創業の株式会社エヌ・オー・シー(以下、NOC)は、国内外の IT 関連企業を主要取引先とし、テクニカルライティング、グラフィックデザイン、Web サイト/マルチメディア制作、Web アプリ開発、およびローカライズなどのサービスを提供しています。1999年からはマーケティングコンテンツの制作を業種に追加しました。

「NOC では第二のロンチとなる1999年から、『お客様のテクノロジーをともに学習する』ことを目標としており、お客様のお力添えがあって変化に対応することができました。現在では、お客様から『(要望に)ノーと言わない』と仰っていただけるのが、最高の誉め言葉だと思っています。」(石井氏)

常に変革期を迎え続けるIT の世界では、ワークスタイルやプロセスも変わり続けます。それは高解像度化とともにデータ量も増加している動画制作の現場も同様。

「テープやポータブル HDD によるデータのやり取りを続けていては、国内外のプロジェクトメンバーとの協業や短納期というニーズに対応できません」と石井氏は語ります。

「大容量データの配送にかかる時間と費用を節約し、マルチメディアプロジェクトの協同作業で、生産性の向上とコストの低減を両立できました。」

ソリューション

Office 365 や Adobe Creative Suite で作成した、数百ギガにおよぶデータを共有

動画制作においては、プロデューサー、ディレクター、シナリオライター、撮影スタッフ(カメラマン、照明スタッフ、キャスト、スタイリスト、メイクなど)、動画編集者、デザイナー、そしてお客様がいるように、多数のプロジェクトメンバーが介在し、それぞれに助手がいる場合もあります。動画はフィルムやデータが、撮影スタッフからディレクターと編集者に渡され、編集したプロジェクトファイルがディレクターやプロデューサーへ、出力したプレビューがお客様に渡されます。

「30 秒程度のコマーシャルフィルム (CF) でも、撮影は半日、シナリオによっては 1 日かかることもあります。1 日分の撮影データはフルHDでも数十ギガ、4K なら数百ギガに及ぶでしょう。これらのデータをプロジェクトファイルとしてタイムリーに共有するには、ストレージの総容量だけでなく、ファイルサイズにも制限のないクラウドストレージが必要になります」(石井氏)

NOC では、企画書や台本の作成には Office 365、映像やグラフィック作成には Adobe Creative Suite を活用。付属のストレージや他のクラウドサービスも活用してきましたが、コンシューマー向けのクラウドにはセキュリティに課題があり、ビジネス向けクラウドには保存データ容量や保存できるファイルサイズに制限がありました。

「2015年の冬に Dropbox の方とお話しする機会があったことが転機になった」と石井氏は語ります。

Dropbox Business では、容量にも、ファイルサイズにも、形式にも、制限はありません。ライセンスも必要とする社員の人数分を購入するだけ。外部ユーザーのライセンスは、プロジェクトレベルでは必要としません。

「Dropbox Business なら、Office 365 や Adobe Creative Suite で作成した、大容量のクリエイティブデータを社内での共有と同じように、誰とでも共有できます。」

導入の効果

社内外からセキュアかつタイムリーにデータを取得、配送に必要となるコストと時間を節約

「最初のプロジェクトでは文字通り数百ギガのデータをクラウドストレージだけでやり取りしました」と石井氏は語ります。

作成した CF は 30秒のフル HD 動画を 10本。撮影は各 1 日ずつ行われ、撮影現場から編集スタッフとディレクターへすぐに渡されます。以前はその 2 経路で各 2 往復のデータのやり取りが行われていたため、撮影するごとに配送を行うと考えると 40 件分のバイク便を節約できたことになります。

「弊社はオフィスコストと交通費を節約するために東京都から神奈川県へと郊外に移転しており、住宅費を補助することで近隣への居住を推奨しています。また、日々のコミュニケーション活動はクラウドサービスで賄っていましたが、動画プロジェクトで必要となる配送コストはこれまでは避けることができませんでした。」(石井氏)

時間外利用も想定するとかかっていた費用は 1 件当たり約 15,000 円。このプロジェクトの社内関係者は 4 人だったため、Dropbox Business の年間ライセンスを購入しても、配送コストの 1/10 しか必要としません。NOC では、このプロジェクトで活用を進める中で、ライセンス体系と無制限のストレージ以外にも Dropbox Business のメリットを実感。特に気に入った機能として、クライアントアプリとファイルリクエスト機能を挙げています。

「クライアントアプリはまるで OS の一部のように活用できます。Dropbox Business のデータは、専用のフォルダに自動的に同期。Office 365 や Adobe Creative Suite で作成したファイルをエクスプローラーからそのまま利用できます。また、更新情報は Windows の通知に表示されるため、見落としがありません。そして、外部ユーザーから安全にファイルを入手する手段として、ファイルリクエスト機能が有益です。関係者が増えると、フォルダのアクセス権をすべての外部ユーザーに設定するのはセキュリティ上好ましくありません。アップロードだけして欲しい外部ユーザーには、ファイルリクエスト機能を有効にすることでセキュアにファイルを入手できます。」(石井氏)

NOC では、このプロジェクトの終了後にも、Dropbox Business の利用を継続。アプリケーション開発プロジェクト、高解像度画像などのグラフィックリソースの管理、そして、セキュリティ上の理由から既存の情報共有クラウドに招待したくない外部ユーザーとの情報共有に活用を続けています。