株式会社テレビ朝日
拡大するビジネス領域を支えるために不可欠なクラウドベースの新たなファイル保管環境を実現
“ 映像制作の現場が使うニッチなフォーマットのファイルも、ほとんどがダウンロードせずにプレビューできます。 これが実現できるサービスは、ほぼ Dropbox のみでした。”
使用製品
Dropbox
業界
メディア&エンターテイメント
規模
1,000人以上
場所
日本
抱えていた課題:ペーパーレス化を進める過程で必要になったクラウドストレージによるファイル共有環境
1959 年の開局以来、60 年以上にわたり放送事業を展開しているテレビ朝日。近年は『AbemaTV』『テレ朝動画』などのインターネットテレビ事業にも注力し、コンテンツ視聴ニーズの広がりに応えています。一方、事業が拡大する中では社員数も増加。徐々にオフィスが手狭になり、テープなどのメディアや書類を保管するスペースの不足が課題になっていました。これについて、同社の安田 元氏は次のように話します。
「特に紙の書類は削減が急務でした。ファイルサーバーやタブレット端末を導入し、ペーパーレス化を進めてきましたが、ほぼ毎週、会議で企画書を何万枚もコピーして配布しているような状況があり、長年の紙文化を脱却するのは簡単ではありませんでした」
また、ペーパーレス化を進める過程ではある問題も見えてきました。社員に IT ツール活用状況をヒアリング調査したところ、想定以上に、 各部署・個人がさまざまなコンシューマ向けのデータ共有ツールを利用していることがわかったのです。
「コンシューマ向けツールの多くは、ビジネス利用に必要なセキュリティ機能を有していない上、IT 部門による一元管理が困難です。契約書や請求書などのビジネス文書はもちろん、コンテンツ制作に関わる企画書、台本などの文書の外部漏えいを防ぐには、組織として正式なデータ共有環境を用意する必要があると考えました」と安田氏は言います。
既存のオンプレミスのファイルサーバーは、データファイルの保管には便利ですが、広告代理店や制作会社などの外部と情報を柔軟に共有することには向きません。実際、ロケ現場などにいるスタッフが資料を確認したい場合などは、「誰かにメールで転送してもらう」といったひと手間が必要でした。そこで同社は、業務効率化とセキュリティリスク低減を両立するため、ビジネス向けのクラウドストレージサービスを対象として、新たなデータ共有の仕組みを検討することにしました。
ソリューション: ビジネス文書から映像・CG などのコンテンツまで業務のニーズを満たした機能・性能を評価
検討の末、採用したのが Dropbox(ドロップボックス)です。
先のヒアリング調査の結果、もっとも多くの社員が使用経験を持っていたことが大きな決め手になりました。
「使いやすさを高く評価する社員が多かったほか、インターフェースに慣れていれば普及させるのも容易だと考えました」と同社の宮原 真氏は語ります。
セキュリティ機能も評価しました。具体的には、ログイン時の二段階認証や、高度なログ管理機能を擁していることに加え、管理者が社内の利用状況を一元的に把握したりできる点が安心だと判断しました。
「実態を常に可視化できるため、サービス利用に関するガバナンスも利かせられます。これなら、コンシューマ向けツールの利用抑止が図れるほか、クラウド上に置いたファイルに対し、いつでも・どこにいてもセキュアにアクセスできる情報共有環境が実現できると考えました」(安田 元 氏)
さらに、決定的なポイントになったのが、大容量データの取り回しの容易さでした。テレビ局では、映像や CG といった大容量コンテンツを扱う業務が多く存在します。従来は、これらのデータもファイルサーバーに格納していましたが、やはり社外との共有に不便さを感じていたそうです。「ロケ先で、監督から『過去のあの映像を今確認したい』といった要望が出ても、従来は対応する方法がほぼありませんでした。その点、Dropbox では、映像/CG の制作アプリケーションで扱う『Avid DNxHD』『Apple ProRes』のようなニッチなフォーマットのファイルも、その大部分がプレビューできます。ダウンロードせず確認できるため、通信環境の良くない現場でも利用できるのです。いくつかのサービスを比較・検討しましたが、映像コンテンツを扱うなら Dropbox 一択だと感じました」と同社の山本 貴歳氏は言います。
結果: 映像/CG のファイルを中心に、活用を加速今後は Dropbox Paper の利用も検討していく
こうしてテレビ朝日は、Dropbox を導入。現在、全社への展開を進めています。ニーズの多かった CG やインターネット事業部門を皮切りに、部署ごとの要望・必要性に応じてライセンスを配布。現場業務の効率化と情報共有を加速する狙いです。
「私が携わる CG 制作の現場では、既に本格利用を開始しており、外部とのやりとりが大きく効率化されました。先に述べた映像ファイルのプレビュー機能はもちろん、Dropbox Transfer を使えば、外部との大容量ファイルの受け渡しも簡単に行えます。特に、ダウンロード期限を柔軟に設定できる点は非常に便利ですね。また、Dropbox は最新のテクノロジーが反映されるスピードも速いので、常に時流に即したファイル管理・保管環境が実現できそうな点を頼もしく感じています」(山本氏)
さらに、将来的にはまだ活用していない Dropbox の機能も積極的に活用していく予定です。その一例として山本氏は Dropbox Paper を挙げ、活用アイデアを次のように話します。「ガントチャートを作る機能があるため、これを使ってプロジェクト進捗管理を行ってみたいですね。現在はエクセルをアップロードして管理していますが、より便利になるものと期待しています。」
活用開始からまだ間もないため、本格的な成果が出るのはこれから。テレビ朝日における Dropbox の一層の活用拡大、およびそれによる現場業務の進化に、引き続き注目です。
Dropbox 導入の主な効果
業務ファイルや制作コンテンツのデータを Dropbox で保管・共有することで、かねて実施してきたペーパーレス化を加速
ファイルの保管場所をクラウドにしたことで、ロケ先にいる社員や社外との共有が容易に。業務効率化 、生産性向上につなげる
ドメイン認証でユーザーを可視化。個人アカウントを作成しているユーザーを洗い出し、シャドー IT のリスクを低減
“ メールドメインでユーザーを一覧出力できるので、各部署に問い合わせて隠れた個人ユーザーを探し出す必要はありません。管理負荷を抑えることができ、大変助かっています。"