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投資家を納得させるプレゼン資料の作り方

読了目安:4 分

2025 年 4 月 1 日

DocSend の調査結果が起業家の役に立つ理由

DocSend の資金調達に関する調査を実施しました。さまざまなプレゼン資料から得たデータを基に、スタートアップ企業の各成長段階で起業家たちが実践できるインサイトを導き出しています。DocSend のトラッキングと分析で匿名化データを集計し、DocSend 上でプレゼン資料がどのように共有され閲覧されているかを明らかにしました。投資家がプレゼン資資料を見ている平均時間をはじめ、起業家が 1 週間あたりにプレゼン資料を送付する投資家の平均人数まで、ありとあらゆるデータを収集できました。

この調査では、前述のデータを起業家の資金調達結果のデータと結びつけました。その結果、資金調達のトレンドが時代とともにどう変化してきたかが明らかになり、今後の見通しについても予測が立てられるようになりました。このデータを基に起業家は、現代の投資家が本当に必要としている情報が何かを理解することができます。

リモート ワークやオンラインでの投資家会議が一般的になった今、起業家が他のスタートアップ企業との差別化を図るためには、しっかりと練られたプレゼン資料がこれまで以上に必要になってきます。以前は対面でのやり取りが重要でしたが、今後はそうした側面が薄れていくでしょう。さらに、現代の投資家がプレゼン資料を確認する時間は平均で 3 分に満たないこともわかりました。DocSend で明らかになったインサイトを踏まえることで、起業家はよりスムーズに資金調達を行い、自社のストーリーをコンパクトかつ魅力的に伝え、投資家との関係を築けるようになります。

力の入れどころを見極める

プレゼンのデータや資金調達の統計を調べる中でわかったことがあります。ベンチャー キャピタリスト(VC)はこれまでになく熱い視線をスタートアップに向けるようになりましたが、プレゼン資料の中で彼らが重視している情報についてはこれまでと変わりません。投資家は、スタートアップが魅力的な製品アイデアをしっかりとしたビジネス ストーリーに結びつけられるかどうかを知りたがっています。

まったく同じ企業は存在しません。そしてそれは、プレゼン資料にも言えることです。しかし、優れたプレゼンは構成という点ではどれも共通していて、その枠の中で自社独自のストーリーを伝えています。おおむね 4 つのテーマにそって、12 セクションほどで構成されています。具体的には、次のとおりです。

  • ビジネスの概要:企業理念、創業メンバー、課題、解決方法、製品概要のセクション

  • 収益化の計画と財務実績:ビジネス モデルと財務のセクション

  • プロダクト マーケット フィット:市場規模、時期(なぜ今なのか?)、トラクション(推進力)、競合分析のセクション

  • 資金調達目標:資金調達の目標を説明するセクション

構成が命

多くのプレゼン資料は約 20 ページの分量で、1 スライドあたり 50 単語(英語)ほどです。そのため、どのページもどのセクションも、伝えるべきメッセージをはっきりさせておく必要があります。先ほど紹介した 12 種類のセクションや 4 つのカテゴリに該当しないスライドがある場合は、プレゼンから除外しても問題ないか考えてみてください。投資家のほとんどは、ごくわずかな時間しかプレゼン資料を読みません。そのため、最も重要なアイデアを前面に出して、すぐに読み手の興味を引きつけられるようにしておきましょう。プレシード ラウンドのデータから、投資家の興味について考えてみましょう。

当社のデータによると、2020 年に資金調達にこぎ着けたプレゼン資料は、投資家が 4 分以上をかけて閲覧していました。一方、資金を得られなかった資料の閲覧時間は、わずか 1 分半という結果でした。ここからわかることは、スライドの最初の部分で興味を持てないと、忙しい VC は早々にウィンドウを閉じてしまうということです。では、成功したプレゼンと失敗したプレゼンの両方を構成という観点から詳しく見てみたいと思います。また、投資家がどの部分に多くの時間を割いているかも確認してみましょう。

資金調達できたプレゼン資料でのスライドの順番と注目されたエリアを示す棒グラフ。
資金調達できなかったプレゼン資料でのスライドの順番と注目されたエリアを示す棒グラフ。
シード ラウンドでのプレゼン資料の閲覧に投資家が費やす時間を示した棒グラフ(創業メンバーが全員男性である場合と全員女性である場合の比較)

変わり続ける投資家の期待に意識を向ける

資金調達に結びつく資料作りとは、単にセクション構成に気を配るだけではありません。VC が注目するセクションは時代とともに変わってきます。また、資金調達のラウンドごとにも異なります。たとえば、シリーズ A の資金調達段階になっていたら、起業理由というプレシード段階の話は重視されないかもしれません。DocSend では、起業家が投資家の期待をしっかりと把握できるよう、変化し続ける投資トレンドを取り上げたラウンドごとのレポートを毎年発表しています。

では、プレシードのレポート例に戻って、このラウンドの実態を見てみましょう。このレポートのデータを見てみると、2020 年は 2019 年と比べて、投資家が 3 つのセクション(競合分析、製品の準備状況、ビジネス モデル)に多くの時間を費やしていることがわかります。

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2019 年から 2020 年にかけて変化している VC の関心を示すイラスト:競合分析に費やす時間が 51 % 増加、製品の準備状況に費やす時間が 46 % 増加、ビジネス モデルに費やす時間が 28 % 増加
シード ラウンドでのプレゼン資料の閲覧に投資家が費やす時間を示した棒グラフ(マイノリティのメンバーがいる場合といない場合の比較)

データを踏まえて自社ならではのストーリーを伝える

資金調達への道は、スタートアップ企業ごとに異なりますが、DocSend の調査データを活用することで、プロセスやプレゼン資料を差別化するための基本的な要素がわかるようになります。

DocSend のサイトでは、効果的なプレゼン資料について詳しく解説しています。強調すべき中心的ストーリー、投資家が気にしている情報、時代とともに変化する要素、性別や人種といった創業メンバーの属性が各ステージでの資料の確認に与える影響などを取り上げています。こうしたインサイトを武器にすれば、ビジネスを成長させるための資金をスムーズに獲得できるようになるでしょう。

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