人事コミュニケーションにおいては、人事チームとその他全員(新入社員、求職者、関係者)との間の情報交換が重要です。いかにして重要な詳細情報をスムーズに伝え、メンバーの足並みを揃えるかが鍵となります。
このコミュニケーションでは、多種多様なソースから得られた価値ある情報を取り扱います。したがって、雑然とした状態になりがちで、場合によっては混乱を生むこともあります。特に全社規模のポリシーや最新情報を扱う場合はその傾向が強くなります。
そのため、明確かつ効果的で、アクションに移すことができる人事コミュニケーション プランが必要となります。このプランにより、人事部門発の重要なメッセージを、効率的かつタイムリーに社員に伝えることができます。
人事チームにコミュニケーション戦略が必要な理由と、このワークフローを立ち上げ、実行する方法を見ていきましょう。

人事コミュニケーション戦略のメリット
効果的な人事コミュニケーション戦略を立てると、従業員の取り組みを改善し、信頼を築くことができます。この戦略は、組織に多数のメリットをもたらします。
つながり
人事部門とその他の部門や従業員との間の効果的なコミュニケーションは、ポジティブな社内文化を維持するために重要です。コミュニケーションを取ることで、従業員全員が企業のポリシー、取り組み、ビジネス目標の現状に関心を持つようになり、必要な情報が届いているという意識が高まります。
人事部門が他部門との円滑なコミュニケーションを推進すると、全員が同じ目標に向かって一致協力することができるようになります。
信頼のための約束
コミュニケーションが明瞭に行われると信頼感が生まれます。また、人事部門と従業員とのつながりを強めることができます。社内コミュニケーションにおいて、常に情報を提供し、配慮を怠らないようにすると、同僚社員たちは組織にとって価値のあるメンバーと見なされているように感じるものです。
人事チームが従業員から信頼されるような、透明性が高い双方向のコミュニケーション プロセスを確立すると、従業員の帰属意識が高まり、満足度や定着率も向上します。
一貫性
戦略があれば、社内で使われる言葉やブランドに一貫性を持たせることができるため、従業員はその意味を理解し、信頼感を抱くようになります。新入社員のオンボーディング プロセスから、退職者のオフボーディング プロセスに至るまで、鍵となるのは一貫性です。
社内のアナウンスや企業に関するニュースを、予定に沿って適切かつタイムリーに伝えることで、誤解や不満が生じる可能性を回避できます。
改善点
効果的なコミュニケーション戦略を導入し、従業員が全社規模の変更事項や作業の進捗状況を把握できるようにすると、チーム メンバーや部門の間で意見が対立するリスクを低減できます。
この戦略は、従業員エクスペリエンスの改善方法や従業員の希望に関するフィードバックを同僚から収集する機会として使うこともできます。

人事コミュニケーション戦略の作成方法
効果的な人事コミュニケーション戦略を策定するには、次の手順を考慮します。
考慮事項
人事担当者は、コミュニケーション戦略を策定する前に、数多くの要因を考慮する必要があります。
- 組織内で使われるコミュニケーションのタイプ
- 上方向のコミュニケーション:従業員から管理職や人事部門に向けて、上方向に情報が流れます
- 下方向のコミュニケーション:人事部門や管理職から従業員に向けて、下方向に情報が流れます
- 部門横断的コミュニケーション:異なる部門間を自由に情報が流れ、チーム間のサイロ化を解消します
- このコミュニケーションの実現のために組織が使用するさまざまなチャンネル
- メール
- 社内イントラネット
- 従業員のコミュニケーションツール(Slack や Zoom など)
- 従業員向け資料の管理と送信に使用するアプリまたはプラットフォーム(Dropbox Sign や DocSend など)
- 全社規模で行う全員参加ミーティングや大型集会
1. 目的を定義する
コミュニケーションの目的と達成目標について検討します。次のような例が考えられます。
- パフォーマンスを向上させる
- 従業員の業務を簡略化する、または利便性を向上させる
- 認知度を向上させる
- アクションを要請または奨励する
- 従業員の意見を求める、またはアイデアを洗練させる
- ヒントを提供し取り組みを進める
アイデアの行き詰まりを感じた場合、従業員からのフィードバックを収集し、現在の社内コミュニケーション戦略の良い点や悪い点を把握します。または、Dropbox の送信とトラッキングなどの分析機能を使用して、従業員によく使われるコミュニケーション手段や資料のインサイトを入手することもできます。
2. ワークフローを調整する
アクション計画がなければ、どのようなコミュニケーション戦略も機能しません。戦略においては次の内容を考慮します。
- 作成および配布の責任者
- 想定される対象者と、対象者に到達するためのチャンネル(プラットフォーム)
- 影響力の最大化を目的とした、コミュニケーションを実行するタイミング
- 戦略を発展させ、従業員のフィードバックや返答にすばやく対応できるようにするためのフォローアップのアクション
Dropbox には、人事ワークフローを管理するための一元化されたシンプルなスペースが用意されています。Dropbox は、プロジェクト計画からオンボーディング資料の共有に至るまで、人事コミュニケーションを合理化するツールと機能の総合セットを提供しています。
3. コンテンツを準備してスケジュールを設定する
繰り返し利用可能なコンテンツ(求人レター、オンボーディング プラン、ポリシー更新など)については、テンプレートを作成するとよいでしょう。一貫した外観と一定のサイクルで、より迅速かつ簡単に情報を提供できます。各コンテンツは、対象者を明確に定義して、配信タイムラインまたはスケジュールを設定する必要があります。
送信とトラッキングによるエンゲージメント分析を使用して、従業員の都合に合わせた対応を取ることもできます。不適切な時期に情報を送ることは避けるべきです。従業員が活発に働いているタイミングで、選択したプラットフォームやチャンネルを経由して連絡を取りましょう。
4. 評価と改善を行う
戦略の成果を監視して効果を測定し、それを元に調整を加えます。
そのためには、監査を実施して、評価中のドキュメントの開封率、クリック数、従業員のフィードバックなどの指標を確認するといった方法が考えられます。対象者が戦略をどう受け取っているかに関する全体像を得るためには、多数の指標を確認することになります。
連携、コラボレーション、コミュニケーションをすべて 1 つの場所で
人事部門と従業員の間のコミュニケーションが不足していると、組織としての成功はまず確実に遠のきます。人事コミュニケーション プランの策定と維持は、従業員の信頼関係を構築し、誰もが尊重されるポジティブな職場環境を作るためには欠かせません。
Dropbox には、人事担当者が効果的なコミュニケーション戦略を策定し導入するために必要とするツールがすべて揃っており、新しいアイデアについての同僚との共同作業や、すべてのコンテンツを扱う一元管理システムなどに対応できます。


