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リモート学習と分散型教育は未来のモデルとなるか

読了目安:9 分

2025 年 1 月 12 日

変化する教育

世界中でロックダウンが続く中、本当に重要なものとそうではないものを巡る人々の意識が変化しています。金曜日の夜の外食はなくなりましたが、それでも生きていかなければなりません。美容院に行けず自分でカットして悲惨な結果になったとしても、髪はまた伸びてきます。職を失う、経済的な影響を被るなど大きな損害も出ています。多くの人々にとって恒久的な影響を及ぼすことになるでしょう。しかし、全体を見れば世界経済の低迷はこれが初めてでも最後でもなく、長い目で見れば経済は回復していきます。

ヘアカットに失敗したり収入が途絶えたりしても、やり直すチャンスはあります。しかし、若者の教育の基礎となる数年間を取り戻すことはできません。黒曜石と堆積岩の違いを学習し、幸運であれば校外学習にも行ける。そんな中学 1 年生の 1 年間は人生で一度きりです。入学して最初の年の生物学実験で、ブンゼン バーナーを使っていて火傷をする。そんな時期は二度と戻りません。

2020 年、コロナ禍により、教育の本質は様変わりしました。学校閉鎖によって 10 億人以上の子供たちが学校に行けなくなり世界全体の学生の 90 % が影響を受けました。保護者は子供たちの自宅学習のサポートに追われ、小学校から高校まですべての教師はカリキュラムに遅れないように試行錯誤しています。私の友人であり、小学校 2 年生の担任教師であるローラは、子供たちが動画授業に飽きないようにすることの難しさを教えてくれました。「オンライン授業に飽きた子供たちは、私におもちゃを見せようとし始めるのです」と彼女は言います。

1 学期または 1 年間丸ごと学校に行けないというのは、企業の四半期業績が悪化するよりもひどい事態に思われます。正体不明のウイルスがまた出現する可能性もあり、学校をいつまで閉鎖すべきかも不透明な状況です。

今のところ、リソースに恵まれた人々はテクノロジーを活用しています。それでも、ブラウン大学の学長であるクリスティーナ・パクソン氏は、New York Times 紙で「Zoom では味わえない激しい知的な議論、大学の研究室や図書館での研究機会、さまざまな視点や人生経験を持つ学生たちとの交流」に代わるものはないと語っています。しかし、学校、教育者、学生は、それぞれの役割や本分を果たすため、今は特にテクノロジーに頼らざるを得ない状況であることも事実です。そしてこれは 2020 年以降も長く影響を及ぼす可能性があります。

ペンシルベニア大学スチュアート・ワイツマン デザイン大学院の建築学プログラムで講師を務めるエツィオ・ブラセッティ教授は現在、計算複雑形状のゼミを担当しています。同教授が受け持つ建築学専攻の学生は、簡単に言うと建物を建設するためのロボットをプログラミングしています。同教授のクラスではもともと、世界で最も注目される建築イベントの 1 つであるヴェネチア ビエンナーレ向けのインスタレーション作品を制作していました。しかし、イタリアの感染者数が再び増加に転じたことから、イベントの開催が危ぶまれるようになりました。それでも、芸術分野、そしてエンジニアリングと数学という高度に技術的な分野の両方を探求するクラスの学びが止まることはありませんでした。

コロナ禍が始まる前、デザイン課題に取り組むペンシルベニア大学の学生たち
Dropbox Spaces を示すスクリーンショット
Dropbox Paper ドキュメントを示すスクリーンショット
Dropbox Paper ドキュメントを示すスクリーンショット
Dropbox Paper ドキュメントを示すスクリーンショット
Dropbox Paper ドキュメントを示すスクリーンショット
Dropbox Paper ドキュメントに付けられたコメントを示すスクリーンショット

未来の教育の鍵を握るテクノロジー

分散型教育は完全ではありません。世界中の学生、教職員、保護者が、特に小さな子供のために学校の再開を待ち望んでいます。ここで紹介した教育者の中に、対面での学習が可能な状況で、それを完全に分散型教育に置き換えることを推奨する人はいないでしょう(それが可能であるとも限りません。テクノロジーを普及させる取り組みは行われていますが、インターネットにアクセスできるのは世界の人口の 60 % にすぎません)。

以上の 3 つのストーリーに共通しているのは、テクノロジーに対する熱意の根底に、もっと簡単に知識にアクセスできるようにしたいという願いがあることです。このコロナ禍の混乱の中、教育者は新しい様式を受け入れざるを得ませんでした。そして意識的かどうかを問わず、より幅広い層に教育を届ける方法について考えるようになっています。学生たちが 1 つの場所に集まれなくなったことで、それぞれの置かれた状況の多様性があらわになったからです。

現在、分散型教育は対面学習の良いところを真似しようとしています。それだけでもハードルが高いのですが、分散型教育は、場所、ニーズ、リソースを問わず、教育をより多くの人々に届けるための長期的モデルとしても検証されています。こうしたイノベーションは、コロナ禍にかかわらず高品質な教育を受けることが難しい状況に置かれている若者にとって、大きなメリットをもたらしてくれるかもしれません。

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