ZIP ファイルとは?

ZIP ファイルを活用すれば、ストレージ容量を節約し、メールの送信にかかる時間を短縮できます。

ZIP ファイルとは?

デジタル ワークスペースでは、ファイル圧縮を有効活用することが不可欠です。ファイルを圧縮すれば、圧縮前よりも多くのデータをより速く転送することができます。世界中の企業で ZIP ファイルが広く利用されているのは、これが理由です。では、ZIP ファイルとはどのようなファイルなのでしょうか。

ZIP ファイルの概要

ZIP は、広く使用されているアーカイブ ファイル形式の 1 つです。その目的は、1 つまたは複数のファイルを圧縮して 1 つの場所にまとめ、全体のファイル サイズを小さくし、ファイルを移動しやすくする点にあります。ファイルをまとめるという意味では、パソコンで使われている通常のフォルダと同じような役割を果たしますが、ZIP 処理でまとめられたファイルは圧縮されており、パソコン上のデータ サイズが小さくなります。つまりファイル サイズを小さくしたければ、ZIP ファイル形式を試してみるのが最も手っ取り早いのです。

では、ファイルが ZIP アーカイブ ファイルであるかどうかはどうやって見分ければよいのでしょうか。答えは簡単です。ファイル名の末尾の拡張子が「.ZIP」または「.zip」になっていたら、それは ZIP ファイルです。ZIP ファイル形式の歴史は長く、1986 年、フィル・カッツ氏によって開発されました。当初、カッツ氏は自社で開発した PKZip というプログラムに ZIP 圧縮のアルゴリズムを実装していましたが、アルゴリズム自体が広く普及したことで、さまざまなファイル アーカイブ形式の中でも ZIP はおそらく最も多く使用される形式であり続けています(その主な要因となったのは、1990 年代に登場し人気を博した WinZip というプログラムです)。

ZIP 圧縮の仕組み

ZIP ファイル形式では、元のファイルの情報を少ないビットに符号化します。つまり、冗長なデータを削除してファイル サイズを小さくするということです。この方式は「可逆データ圧縮」と呼ばれ、元のデータは一切失われません。簡単な例を使って仕組みを説明しましょう。

次の文章を含むファイルがあるとします。

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ファイル中では、各単語が 2 回ずつ出現しています。ファイル中の文字と空白それぞれが 1 つのメモリ ユニットに等しいとすると、ファイル全体のサイズは 110 ユニットということになります。しかし、このファイルの内容を番号コードで表すと、同じデータをまったく違う形で表すことができます。

  • 1 – The
  • 2 – best
  • 3 – sharing
  • 4 – and
  • 5 – storage
  • 6 – solution
  • 7 – for
  • 8 – your
  • 9 – business

この番号コードを使うと、ファイル中の文章は「123456789896712345」と表すことができます。110 ユニットだった元のファイル サイズがわずか 18 ユニットにまで劇的に縮小されています。ZIP ファイル形式では、可逆圧縮アルゴリズムを使用してまったく同じ処理を行っており、ファイルに含まれる冗長なデータを削除するという単純な方法で、同じ情報をより効率的に表現しています。

ビジネスでの ZIP ファイルの用途

ビジネスでは、さまざまな場面で ZIP ファイルを活用できます。特に便利なのは、多数のファイルをメールで一度に送信できる点です。たとえば、同僚やクライアントに大量のファイルを送る必要があるとしましょう。ZIP ファイルを使わない場合は、1 つ 1 つのファイルを個別に、しかも 1 つのファイルの送信が終わるのを待ってから次のファイルを送らなければなりません。しかし ZIP を使えば、すべてのファイルをまとめて圧縮し、1 つの ZIP ファイルとして送信するだけで済みます。また、ストレージを節約できるという点も大きなメリットです。用が済んだ仕事のファイルをそのまま保管するのではなく、ZIP 圧縮しておけば、古いファイルが消費する容量を大幅に少なくすることができます。

ZIP ファイルのメリットとデメリット

ZIP ファイルについて少し詳しく見たところで、次はアーカイブ ファイルの使用に伴うメリットとデメリット、特にファイル サイズを小さくすることの利点と注意点を見ていきましょう。ZIP ファイル形式の最大のメリットは、ストレージの容量を節約し、パソコンを効率よく使えるようになることです。また、ファイル サイズが小さくなることでメールでのファイル送信もすばやく効率的にできるようになります。さらに ZIP ファイル形式ではプライベートなデータを暗号化できますが、これは、インターネット経由でファイルをやり取りする場合にはいつでも大切なことです。要は、ファイルの取り扱いをごく簡単な方法で大幅に効率化できるということです。Windows なら、目的のファイルを右クリックして[送る]から[圧縮(zip 形式)フォルダー]を選択すれば、それで圧縮完了です。

しかし ZIP ファイル形式には、注意すべきデメリットも少なくありません。特に注意が必要なのは、元のサイズからあまり圧縮効果が得られないファイル形式があることです。たとえば、MP3 ファイルや JPG ファイルがこれに該当します。そのため、動画ファイルや画像ファイルを扱う機会が多い場合、ストレージ容量の節約目的では期待したような効果は得られないかもしれません。また、ZIP ファイルのセキュリティ面にも考慮が必要です。ZIP 圧縮したファイルの暗号化は圧縮完了時に実施されますが、圧縮ソフトウェアにファイルを追加したとき、ファイルに対して何が行われるかを知る術はなく、それが悪用されるのを防ぐこともできません。Windows や macOS が標準搭載する ZIP 圧縮機能を使うこともできますが、サードパーティが提供する圧縮ソフトウェアを使っているのなら、データ セキュリティには常に留意する必要があります。また、ZIP ファイル自体が破損する可能性、それが ZIP 内のファイルに影響する可能性にも注意が必要です。

7z ファイルとは?

ZIP ファイルについて調べていると、「7z ファイル」や「7-ZIP」という単語に行き当たるかもしれません。7z ファイルとは何でしょうか。ZIP 形式とは何が違うのでしょうか。7z は、ZIP や RAR と同様のアーカイブ形式の 1 つですが、大きく違うのは他と比べて圧縮率が高い点です。圧縮ファイルのサイズが他の圧縮形式よりも小さくなるため、ストレージの節約効果がより高くなります。7z ファイルでは、圧縮処理の時間が少し長くなる場合がありますが、とにかくファイル サイズを小さくしたいという場合は最適な選択肢になるでしょう。

ZIP ファイルに代わる選択肢

もちろん、ZIP ファイル形式はファイル圧縮の唯一の選択肢ではありません。世の中には、RAR、TAR、7z など多様なアーカイブ ファイル形式があり、アーカイブ ツールやファイル圧縮ソフトウェアも WinRAR、ZIPx、PeaZip など幅広い種類が提供されています。また先ほども述べたように、ZIP ファイルにはさまざまな問題(処理の待ち時間が長い、ファイルが重複する、ファイル サイズの制限がある、破損するなど)があります。

そこで、さまざまなファイル圧縮ソフトウェアと格闘するのではなく、クラウド ストレージZIP ファイルに代わる選択肢として導入し、ファイル圧縮を一切行わないという方法もあります。たとえば Dropbox では、ファイル圧縮のときのような面倒な手順を踏まなくても、大容量のファイルを保存、送信できます。[共有]ボタンをクリックするだけで、圧縮せず元のサイズのまま簡単にファイルやフォルダを送ることができます。最大 50 GB のファイルを保存、共有できるので、メールの受信ボックスやパソコンのディスク容量を消費することなく、すばやく確実にファイルを共有可能です。とは言え、時には圧縮ファイルを扱う場合もあるでしょう。Dropbox は、その点も抜かりがありません。ZIP と RAR のプレビュー、アップロード後の圧縮、アーカイブ内のファイルの編集に対応しています。

まとめ

ZIP ファイル形式は、データを効率よく保存、転送するための手段です。しかしこれは、ファイルを圧縮する唯一の手段ではありません。自身のニーズに最適なアーカイブ ファイル システムを見つけるため、さまざまな選択肢に目を向けることをおすすめします。