ハイブリッド チームやバーチャル ファースト チームなど、よりフレキシブルな働き方を選べる機会は今後も増えるでしょう。PwC の調査によると、新型コロナ感染拡大以降、従業員の 83 % が少なくとも週に 1 日はリモート ワークで働きたいと考えています。
リモート ワークに移行する企業が増加するなかで、コミュニケーションとコラボレーションの技術が欠かせないものになっています。ビデオ会議は、遠隔地にいるチームとのつながりや関与を維持するための手段として一般的なものになりました。
しかし、ビデオ会議では情報が混乱する場合があり、多用しすぎると間違いなく疲弊します。インターネット接続の遅さや、複数の出席者による同時の発言、全体的な生産性の低下などは、リモート ワーカーがビデオ会議で遭遇する問題のほんの一部です。
事実、Atlassian の調査では、会議時間の 72 % が効果的でないことが示されました。同調査で会議時間を短縮できれば生産性が向上するだろうと答えた人は回答者の 80 % にのぼります。会議が非生産的だったり、誰かが次の会議を提案して終わったりすればなおさらです。次の会議を設定することに関する会議など誰も望んでいません。
では、生産性やチームのエンゲージメントやつながりを犠牲にすることなく、バーチャル会議の利点を活用するにはどうすればよいでしょうか。ここで、非同期型ミーティングの登場です。

まずは基本から:「非同期」とはどういう意味か
非同期コミュニケーションは、あるユーザー(またはグループ)が情報を提供してから受信者が応答を提供するまでに時間差がある場合に発生します。
非同期コミュニケーションの典型的な例はメールです。メッセージに対して即座に応答する必要はなく、やり取りにはギャップや遅延が生じます。
簡単に言うと、非同期型ミーティングはリアルタイムで行われません。ある程度は整理して計画的に進められますが、スケジュールを立てる必要はありません。コミュニケーションは、事前に録画されたトレーニング ビデオのような一方向の場合もあれば、オンデマンド ビデオ メッセージのような対話型の場合もあります。
非同期型ビデオ会議はライブ ストリーミングされるものではなく、録画して後で視聴や確認ができるようにしたものです。
非同期型ミーティングと同期型ミーティングの違いは何か
では、非同期型ミーティングは何が違うのか、疑問に思うかもしれません。リモートで仕事をするようになってしばらく経った頃は、ほとんどのミーティングが「同期型」で行われているでしょう。つまり、ミーティングはリアルタイムで行われ、参加者は同時にアクティブであることが要求されます。
非同期型ミーティングと同様に、同期型ミーティングでは、場所に問題があっても同僚やクライアントと関わることができます。ただし、同期型ミーティングはスケジュールを立てる必要があり、後で参照するためにミーティングの記録を取る場合と取らない場合があります。
要約すると次のとおりです。
- 同期型ミーティングはリアルタイムで行われます。Zoom などのプラットフォームでビデオ会議をリアルタイムで実施するため、参加者の間で双方向の会話が必要です。参加者はミーティング資料を一緒に確認し、すぐにフィードバックが得られます。
- 非同期型ミーティングはその逆で、ライブ ストリーミングされず、リアルタイムのコミュニケーションは行われません。非同期型ビデオ会議は録画したものを配付するため、後で共有して内容を確認できます。

非同期型ミーティングの利点は何か
非同期型ミーティングは、企業がイノベーションを起こし、柔軟性を高めるための新たな機会になります。非同期型ミーティングがビジネスに役立つ理由をいくつか見てみましょう。
柔軟性に優れている
非同期型ミーティングは、ハイブリッド チームや分散型チーム、バーチャル ファーストのリモート チームにとって欠かせません。直接会って会議をする不便さを解消することで、企業はオフィスの限界を超えて人材プールや採用の機会を拡大できます。
このアプローチでは、タイム ゾーンやプラットフォームの違いを乗り越えて仕事をすることもできます。外国にクライアントがいる場合、ミーティングの予定を立てるとき、あるチームにとっては早すぎ、別のチームにとっては遅すぎるという心配をする必要はなくなります。
即座の対応が求められるというプレッシャーをなくすことで、ストレスや時間的な要求が重なった場合でも、チーム メンバーが燃え尽き症候群を経験する可能性が低くなります。
個人レベルでは、非同期型アプローチはチーム メンバーを信頼していることを示すものです。上司やマネージャーが常に接触してこなくても、メンバーには役割を果たす能力があると確信していることを示しています。
スケジュールのコントロールを取り戻し、(生産的かどうかはともかく)出席しなければならないミーティングに費やしていた時間を解放することができます。チーム メンバーは、都合の良い時間と場所で、自分のペースでビデオ会議を視聴できます。
生産性が高まる
同期コミュニケーションと、それに伴って無限に続くような通知と比べて、非同期型の作業は中断されることが少なくなります。
非同期のコンテンツは自分の都合の良いときに使用できるため、平日の最も生産性が高いと感じる時間帯や、本当に集中できる心のゆとりがあるときに、遅れを取り戻してビデオ会議の情報を把握できます。
非同期型ミーティングでは、作業や同僚との共同作業において「リアクティブ(事後対応的)」ではなく「プロアクティブ(事前予測的)」になれます。急いでビデオを見る必要も、会議にできるだけ早く対応しなければならないというプレッシャーを感じる必要もありません。
リアルタイムのビデオ通話で経験するような会議後の疲労もなく、より新鮮な気持ちで準備ができます。全神経を集中して非同期型ミーティングを視聴する空間が与えられ、ビデオの一時停止や巻き戻しができれば、より鋭く重点的なフィードバックを期待できるようになります。
さらに、非同期型ミーティングでは、より多くの同僚が議論に貢献できます。同期ビデオ通話では、複数のメンバーが意見を述べたり威圧的な態度を取る人がいたりすると、静かなチーム メンバーの声がかき消されてしまう場合があります。非同期型のコミュニケーション手段なら、より参加しやすく共同作業しやすい会議を推進できます。

非同期型ミーティングは未来の働き方か
Buffer が実施した 2020 年の調査によると、リモート ワーカーの 20 % がチームとの共同作業やコミュニケーションに苦労を感じていました。以来、Buffer は毎年この調査を繰り返し実施しています。調査によると、リモート ワーカーの共同作業とコミュニケーションに関する課題は毎年減少し、2023 年には 15 % になりました。それでも、リモート チームがより効果的に連携できるようにするには、まだやるべきことがあります。
心当たりがあれば、非同期型ミーティングがそれを解決してくれるかもしれません。同期型ミーティングの制約の多くが解消され、チームの柔軟性が高まるからです。非同期型ミーティングは、職場文化が変化し、かつてないほど生産性が脅かされている現代において、企業に革新をもたらし、臨機応変なビジネスを実現するのに役立ちます。
同期型ミーティングと非同期型ミーティングのバランスが重要
同期型ミーティングを完全に非同期型に置き換える必要はありませんが、同期型ばかり優先させるべきでもありません。チーム メンバーやクライアントによっては、録画したビデオではなく対面での会話が好まれる場合もあります。また、締め切りが厳しいプロジェクトでは、非同期型ミーティングに伴うレスポンスの遅れを念頭に置く必要があります。
望ましいのは、長期的な目標に沿ってビジネスを成長させられるツールとのバランスをとることです。まずは、不要なミーティングを減らす手段を考えることから始めましょう。
Dropbox を活用すれば、ミーティングに参加しなくてもチームとのつながりを維持
リモート ワークやハイブリッド ワークが職場の重要な要素になる中、多くの企業ではビデオ会議が主流になっています。しかしこれは、重要な情報を聞き逃さないようにするために毎回のビデオ会議で全員が他のツールを閉じる必要があるということではありません。
Dropbox は Zoom や Microsoft Teams などの一般的な動画会議ツールとシームレスに統合するため、どのような会議録画もクラウド ストレージに自動で簡単にアップロードできます。会議録画専用の Dropbox フォルダを作成し、そのフォルダをチームと共有するだけで、チーム メンバーはいつでもどこでも録画にアクセスできます。
チーム メンバーはオフィス勤務かリモート ワークかを問わず、スケジュールをコントロールできるようになり、即時対応が必要ないミーティングへの参加よりも仕事を終わらせることに集中できるようになったことに感謝するでしょう。