クラウド セキュリティのリスクとより強力な保護の必要性
クラウド ソリューションは、企業の共同作業の方法を変革し、チーム、デバイス、拠点をかつてないほど簡単につなげられるようにしました。しかし、適切なセキュリティを導入しないと、クラウドに保管されたデータによって、ビジネスがサイバー脅威に対して脆弱になる可能性があります。
サイバー攻撃は、急激に増加しています。IBM の報告によると、クラウドベースの攻撃は、世界中のデータ漏洩の 45 % 以上を占めるようになっています。企業は、クラウド ストレージと共同作業ツールに依存していますが、強力な暗号化、アクセス制御、コンプライアンス対応のセキュリティがなければ、データ喪失、コンプライアンス違反、評判へのダメージの危険にさらされます。
では、クラウドを最大限活用しながら、ビジネスを守るにはどうすればいいでしょうか?このガイドは、クラウド データ セキュリティを向上させ、リスクを最小限に抑え、暗号化、アクセス管理、コンプライアンス自動化に Dropbox のセキュリティ優先のアプローチを導入するために役立つ、頼りになるリソースです。
ご興味があれば、ぜひ以下をお読みいただき、Dropbox でクラウド セキュリティがどれほど簡単に実現するかをご確認ください。
クラウド データ セキュリティとは?
クラウド データ セキュリティは、クラウドに保管されたデータを不正アクセス、侵害、破損から保護するための方策です。テクノロジー、ポリシー、セキュリティ対策を組み合わせて、機密情報を安全に保ちます。
従来のデータ セキュリティと異なり、クラウド セキュリティは、以下に対処する必要があります。
- 転送中および保管中のデータ:転送中および保管中のファイルを保護すること
- 規制コンプライアンス:GDPR、HIPAA、SOC 2、ISO 27001 などのセキュリティ標準を満たすこと
- アクセス制御:機密データを誰が閲覧、編集、共有できるかを管理すること
クラウド セキュリティ対策を怠ると、データ漏洩や業務中断のリスクが高まるだけでなく、組織が規制違反で多額の罰金を科される可能性が生じます。
クラウド データのセキュリティとコンプライアンスが重要な理由
今日のデジタル環境において、クラウドに移行する企業は、厳格なデータ保護規則を順守する必要があります。GDPR、HIPAA、SOC 2 などの規制は厳しい基準を課しており、違反時には高額の罰金、評判の失墜、法的トラブルといった深刻な結果を招きかねません。
サイバー犯罪者は、クラウド ストレージの構成ミス、脆弱な認証、不十分なアクセス管理などの脆弱性を急速に悪用しており、クラウドベースの攻撃は、前年度比で 30 % 増加しています。これらの脅威により、企業は世界年間売上高の最大 4 % に相当する金銭面打撃を受けるおそれがあるだけでなく、顧客からの信頼も損ないます。消費者の 81 % がデータを保護できない企業を避け、80 % がデータ セキュリティを優先する企業を支持しているのです。
したがって、堅牢なクラウド セキュリティ対策に投資することは、リスクを低減するだけでなく、顧客の信頼を強化し、ますます動的なデジタル環境で競争上の優位を確保するために不可欠です。
クラウド セキュリティの最大のリスクとコンプライアンスの課題
クラウド セキュリティに関して、企業は脆弱性につながる可能性があるさまざまな課題に直面しています。潜在的なリスクは、ビジネスの性質と状況によって異なりますが、意識すべき共通のテーマがいくつかあります。
- シャドウ IT のリスク:社員が許可されていないクラウド ツールを使用することにより、セキュリティの脆弱性が増加します。
- ファイル アクセスの可視性と共有権限の欠如:適切な制御がないと、データが外部に流出する危険性があります。
- 複雑なコンプライアンス要件:地域や業界によって規制が異なるため、継続的な監視が必要です。
独自のクラウド データ セキュリティを検討するときは、これらの要素を考慮してください。もちろん、セキュリティを念頭に置いて構築されたツールを使用することも有効です。そこで、ぜひ Dropbox をお役立てください。

Dropbox でクラウド データ セキュリティを実装する方法
クラウドでデータを保護するには、暗号化、アクセス制御、コンプライアンス チェック、スマート オートメーションのバランスを取った、プロアクティブなアプローチが必要です。生産性を低下させずにファイルを安全に保つために設計された、堅牢で邪魔にならない、組み込みのセキュリティ ツールが必要です。
Dropbox は、企業がクラウド セキュリティの課題に取り組み、アクセスを管理し、コンプライアンスを維持できるように、エンタープライズグレードのセキュリティ機能を提供しています。Dropbox を使ってクラウド データ セキュリティを段階的に強化させるための実践プランをご紹介します。
ステップ 1:暗号化を使ってクラウドに保管されているデータを保護する
仕組み:標準として、Dropbox は保管中のデータには AES-256 暗号化を、転送中のデータには TLS/SSL 暗号化を使用し、ファイルを傍受や不正アクセスから保護します。
会社で最も機密性の高いデータをより一層保護し、安全性とコンプライアンスを維持したい場合も、Dropbox なら、すべてを管理できます。IT 管理者は、最も機密性の高いフォルダに対してエンドツーエンドの暗号化(E2EE)を有効にできます。これにより、あなたと、キーを持つ信頼できる人だけがファイルにアクセスして閲覧できるようになります。
E2EE を実装する手順:
- dropbox.com で管理者のアカウント情報を使用してログインします。
- 左側のサイドバーで[管理コンソール]をクリックします。
- [コンテンツ]をクリックします。
- [チーム フォルダを作成]をクリックします。
- フォルダ名を入力し、通常どおりにフォルダにアクセスできる人を選択します。
- [このフォルダをエンドツーエンドで暗号化]のチェックボックスをオンにします。
チェックボックスをオンにするだけで、簡単に有効化できます。E2EE の詳細についてはこちらをご覧ください。暗号化が導入されたら、次の重要なステップは、厳格なアクセス制御を実行して露出を制限することです。
ステップ 2:アクセス制御と認証ポリシーを適用する
仕組み:適切な人だけが会社の最も機密性の高いファイルにアクセスし、編集、共有できるようにするのは、IT 部門の責任です。Dropbox を使用すると、管理者はロールベースのアクセス制御(RBAC)、多要素認証(MFA)、シングルサインオン(SSO)を活用して、すべてを安全に保つことができます。
実装方法:
- Dropbox 管理コンソールでロールベースの権限を割り当て、職務に基づいて機密ファイルへのアクセスを制限します。
- 特に高い権限を持つアカウントに対しては、MFA を有効にしてセキュリティ層をさらに追加し、不正ログインを防ぎます。
- SSO 統合を設定して、すべてのクラウド アプリケーションに一元的な認証を適用します。
- 定期的にユーザーのアクセス権限の見直しと更新を行い、コンプライアンスを確保し、非アクティブなアカウントを削除します。
アクセス制御を導入したら、IT チームは、リアルタイムでセキュリティ リスクを検出するために、継続的な監視とコンプライアンスの追跡を実施する必要があります。

ステップ 3:コンプライアンスの追跡と監査ログを自動化する
仕組み:ファイル アクティビティをリアルタイムで記録することは重要です。そこで、Dropbox を活用できます。詳細な監査ログ、自動化されたコンプライアンス レポート、アクセス追跡により、セキュリティ リスクを常に把握し、規制要件を満たしていることを安心して確認できます。
実装方法:
- Dropbox に組み込まれた監査ログを使用して、ユーザー アクティビティ、ファイル アクセス、外部共有イベントを追跡します。
- SOC 2、GDPR、HIPAA、および ISO 27001 セキュリティ基準に準拠していることを確認するため、自動化されたコンプライアンス レポートを設定します。
- 複数回のログイン試行の失敗や、制限されたファイルへの不正アクセスなど、異常なアクティビティにアラートを設定します。
- コンプライアンス監査とセキュリティ評価のために、監査ログを定期的に確認し、エクスポートします。
強力なアクセス制御が導入されていても、外部ファイル共有は脆弱性をもたらす可能性があります。次のステップでは、不正アクセスを防ぐために、共同作業の安全を確保します。
ステップ 4:外部ファイル共有と共同作業の安全を確保する
仕組み:ファイル共有は生産性向上のために欠かせませんが、適切に管理しないと、大きなセキュリティ リスクをもたらします。Dropbox を使用すれば、IT チームは外部共有を制限したり、パスワード保護を適用したり、共有リンクに有効期限を設定したりすることで、不正アクセスを防止できます。
実装方法:
- Dropbox 管理者アカウントで[管理コンソール]に移動して、[設定]をクリックし、[コンテンツ]の下にある[共有]を選択します。
- 共有リンクのパスワード保護を有効にして、許可された受信者だけがファイルにアクセスできるようにします。
- 期限付きドキュメントのリンクに有効期限を設定して、無期限の外部アクセスを防止します。
- Dropbox の外部共有ダッシュボードを使用して、どのファイルが組織外に共有されたかを監視します。
- 機密ドキュメントにについては、権限のないユーザーによるファイルのダウンロードを無効にすることで、外部との共同作業を制限します。
組織内外の共同作業の安全を確保した後、最後のステップでは、Dropbox をエンタープライズ セキュリティ ツールと統合して、あらゆるプラットフォームでデータ保護を強化します。
ステップ 5:Dropbox をセキュリティおよびコンプライアンス ツールと統合する
仕組み:セキュリティをさらに進化させたい場合は、Dropbox プラットフォームの一部であるDropbox Business API を活用することで、Dropbox をサードパーティー ツールやエンタープライズ セキュリティ プラットフォームと統合して、データ保護、コンプライアンスの自動化、アクセス管理を効率化できます。
サードパーティ ソリューションの例:
- セキュリティ情報とイベント管理(SIEM):Dropbox Business の管理者は、社員のアクティビティを監視および管理し、管理者用ページで機密データへのアクセスを管理することができます。
- データ紛失防止(DLP):PII や PCI など Dropbox Business アカウントに保管されている重要データを保護します。
- 電子情報開示(eDiscovery)と法的ホールド:Dropbox Business アカウント内の ESI(電子的に保存された情報)を安全に検索、収集できるようにします。
- デジタル著作権管理(DRM):Dropbox Business に保管した企業データにサードパーティ製の暗号化を提供します。
- データ移行とオンプレミスのバックアップ:拠点間の大容量のデータ移行を支援し、オンサイト データ バックアップで重要情報を安全に維持します。
- ID 管理:Active Directory など外部のアイデンティティ プロバイダを使用して、Dropbox Business チームの認証状態を維持できます。
- カスタム ワークフロー:Dropbox をビジネスにシームレスに統合する社内アプリを構築するために必要なツールが揃っています。
Dropbox でクラウド データ セキュリティを実装するには、暗号化、アクセス制御、コンプライアンスの自動化、安全な共同作業を既存のセキュリティ ワークフローに統合する、構造化されたアプローチが必要です。IT チームは Dropbox のセキュリティ優先のアーキテクチャを活用して、機密データを保護し、コンプライアンス ポリシーを適用できます。
これらの段階的な実装戦略を実行することで、企業はセキュリティ リスクを低減し、コンプライアンスを維持しながら、複雑さを増やすことなく安全なクラウド共同作業を実現できます。
Dropbox でクラウド セキュリティ戦略を強化
IT チームに必要なのは、単なるクラウド ストレージではなく、データを保護し、コンプライアンス対応をスムーズに行えるソリューションです。
Dropbox にはエンタープライズグレードのセキュリティが組み込まれています。エンドツーエンドの暗号化(E2EE)、高度なアクセス制御、コンプライアンスの自動化により、ビジネスのリスクを抑え、セキュリティ ポリシーを適用し、変化する規制への対応を維持できます。チームに余計な負担をかけることもありません。
さらに、堅牢なセキュリティ機能と業界をリードするコンプライアンス認証により、お客様のデータが安全に整理され、常に管理下にあることを確信していただけます。
Dropbox でセキュリティとコンプライアンス対応をどれだけシンプルにできるか、ぜひご自身でお確かめください。
よくある質問
企業は、データを不正なアクセス、使用、開示、破壊から保護するための適切な技術的および組織的な対策を実装することで、クラウド セキュリティ規制へのコンプライアンスを確保できます。具体的な手順は次のとおりです。
- 保管中と転送中の暗号化の使用
- アクセス制御の実装
- 監査ログの管理
- 関連するデータ保護規制の順守
Dropbox は、以下を含む包括的なセキュリティ機能を提供することで、クラウド データのセキュリティを確保しています。
- 保管中と転送中の暗号化
- エンド ツー エンド暗号化
- きめ細かな管理者向け機能
- コンプライアンス認証


