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個人事業主向けのデジタル ファイル管理のコツ

読了目安:10 分

2024 年 12 月 27 日

契約書や所得税の確定申告書、銀行の取引明細書、ファイル、フォルダ、動画など、書類や資産の管理は個人事業主がビジネスを運営するうえでの大切な仕事です。紙の資料もデジタル データも、管理の大切さに変わりはありません。

クラウド ストレージ ソリューションが登場してからは、安全に保護された 1 つの場所にすべてを簡単に保存できるようになり、オフィスを散らかさずに済むようになりました。すべてがクラウドにあることは、いつでもどこでも、複数のデバイスからアクセスできることも意味します。とは言え、ファイルの保存とファイルの整理は、まったく別の話です。

フリーランサーやソロプレナーの方は、優れたデジタル・ファイル管理システムを使用して時間と労力を大幅に節約でき、その時間を自分のスキルアップやビジネスの成長のために使うことができます。

このガイドでは、デジタル ファイルを効率よく効果的に整理する方法について説明します。まずは、なぜデジタル ファイルを管理する必要があるのかを考えてみましょう。

デジタル ファイルの整理が重要な理由

中小企業を円滑に運営していくには、何事にもすぐ対応できる俊敏さが必要です。たとえば、顧客の夢の結婚式を企画したのに、式の直前に顧客が席次表をなくしてしまったら、それをすぐに見つけなければなりません。1 日のうちに、さまざまな関係者と一緒に動画を次々と撮影して、さて編集しようとなったとき、どの動画がどのプロジェクトのものかがわかっていれば、動画編集プロセスは、はるかにスムーズになるでしょう。

このように、ファイルの管理と整理に時間をかけることは、個人事業主だけでなく、その顧客にとっても大きな違いを生み出します。

自転車に乗った人物が、カメラを持ったソロプレナーの映画製作者とやり取りしている様子。もう一人の人物はレフ板を持っています。

デジタル ファイルの整理に必要な時間

デジタル ファイルの分類に必要な時間は、整理しなければならないファイルの量によって異なります。プロジェクトの数がわずかなら(または、事業を始めたばかりなら)、午後いっぱい時間をとれば十分でしょう。ファイル、フォルダ、コンテンツが数か月から数年分溜まっていたら、分類だけで数日かかります。1 週間以上かかるかもしれません。

デジタル ファイルの整理が面倒に感じられるのは確かですが、信頼できる唯一の情報源を用意することには意味があります。クリエイティブ プロジェクトのそれぞれにわかりやすい名前が付けられ、すべての素材が 1 つのフォルダに収まっていたら、古いプロジェクトの見直しがどれほど簡単になるかを想像してみてください。さらによいのは、きちんと整理された「2024/25 年度確定申告」フォルダを税理士と共有するのがちょっとした楽しみになることです。フォルダさえ渡せば、あとは税理士に任せてのんびりできます。

ファイルの整理は受信トレイの整理と同じだと考えてください。最初は苦痛でも、きちんと整理すれば、必要なものをすばやく効率よく見つけられるようになります。

デジタル ファイルの整理方法

デジタル ファイルを整理する方法は数多くありますが、必要なのは、自分に合った方法を見つけることです。明確で体系的な方法を採り入れても、必要なファイルを見つけるのに時間がかかったり、必要なファイルが簡単に見つからなかったりしては意味がありません。

これから整理に取りかかる人のために、デジタル ファイル管理の 10 のコツをまとめました。

  1. ファイルとフォルダを保存する場所を 1 つに決める
  2. 重複しているファイルは削除するかアーカイブする
  3. フォルダとサブフォルダの階層構造をわかりやすくする
  4. 明確かつ具体的にする
  5. ファイルの命名規則に従う
  6. 作成したら、すぐ整理する
  7. 重要度の高いドキュメントは安全な方法で保管する
  8. 紙のドキュメントのデジタル コピーを作成する
  9. 使用されていないファイルは思い切って削除する
  10. ファイルとパソコンを定期的にバックアップする

1. ファイルとフォルダを保存する場所を 1 つに決める

ソロプレナーなら、ビジネスに関するあらゆることは以前からパソコンを中心に回っているのではないでしょうか。そう思えば、ファイル、フォルダ、その他あらゆる資産を保存する場所がパソコンになるのは当然です。ただ問題なのは、パソコンが故障した場合や盗難や紛失があった場合、何が起こるかです。手間暇かけて整理したファイルとフォルダが突然すべて消えてしまったとしたら、痛恨の極みです。

クラウド ストレージは、資産をまとめて保存できる安全で信頼性に優れた方法です。ファイルとフォルダはクラウドにオンラインで保存されるので、ハードウェアが原因で残念な結果になることを心配する必要がありません。必要になれば、好きなデバイスでどこからでも、どのファイルにもアクセスできます。最悪の事態が起きて、長年愛用していたノート パソコンにとうとう見限られても、別のデバイスにログインすれば、すぐさま元の作業に戻ることができます。

2. 重複しているファイルは削除するかアーカイブする

このコツは簡単で、すぐに実行できます。同じファイルが 2 つあると、管理作業も二重に必要です。ファイルの整理を始める前に、重複しているファイルを削除しましょう。もう一度使うかどうかが不明な場合は、アーカイブ フォルダに入れて残しておいてもよいでしょう。

残しておく必要がある場合、Dropbox ではファイルをオンラインに保存し、「オンラインのみ」として設定することができます。つまり、必要になったときに備えて、ファイルをクラウドの安全な場所に保管しても、デバイスの貴重なスペースは消費されません。愛用の Mac や Windows パソコンにポートフォリオを丸ごと保存する必要はありません。クラウドに保存して、自分の作品をクライアントと共有する必要があるときにだけアクセスすればよいのです。

Dropbox アカウントの[削除したファイル]セクションには、ファイル名や削除された日時、ファイルを復元するオプションが表示されます。

3. フォルダとサブフォルダの階層構造をわかりやすくする

必要な「Campaign_Asset_016.jpg」を見つけるために、フォルダの階層を隅から隅まで探し回る時間はありません。理解しやすく見つけやすいフォルダ構造を作成し、関連するファイル、ドキュメント、素材は、ファイルの種類に関係なく、まとめて保存しましょう。それには、フォルダとサブフォルダの階層をわかりやすくすることが必要です。

ベスト プラクティスとして、フォルダ階層を次の方法で構成することをお勧めします。

クライアント別

クライアント > クライアント名 > クリエイティブ > 2024 年秋 > グレート インドア > Great_Indoors_Camping_ FB_1080x1080.jpg

 

プロジェクト別

すべてのプロジェクト > クリエイティブ キャンペーン > Facebook 広告 > グレート インドア > Great_Indoors_Camping_ 1080x1080.jpg

 

日付別

2024 > 9 月 > クリエイティブ > クライアント名 > グレート インドア > Great_Indoors_Camping_ FB_1080x1080.jpg

どの方法を選んでも、フォルダに大量のファイルを詰め込まないよう注意してください。ファイルが多い場合は、サブフォルダを作ってファイルを分けます。そうすれば、自分も共同作業者も必要なファイルを見つけやすくなります。

4. 明確かつ具体的にする

ファイルとフォルダには、明確で理解しやすい名前を付けます。たとえば結婚式のシーズンになると、カメラマンは数週間で 3~4 組の式に参加するのではないでしょうか。正直な話、写真をアップロードするときに、一つひとつ名前を変えている時間はありません。でも、日付、式場名、新郎新婦の名前などの情報でフォルダを作成して分類しておけば、あとで自分をほめてやりたくなるでしょう。

ファイルとフォルダを共有する場合、さらに重要なのは、明確かつ具体的な名前を付けてファイルを管理することです。4 回目のチェックともなれば、クライアントには、30 ものキャンペーン素材をいちいちプレビューする時間はありません。変更を指示した JB_March_24_Campaign_Banner.png にフィードバックが反映されていることを確認できれば、それでよいのです。

5. ファイルの命名規則に従う

ファイルとフォルダの命名規則を一通り決めたら、必ずそれに従います。仕事を 1 人でするのか、誰かと一緒にするのかは関係なく、一貫性を保つことで全員の作業が楽になります。

さらに、ファイルとフォルダにわかりやすい名前を付ければ、名前による検索が一段と簡単になります。

6. 作成したら、すぐ整理する

ファイルは、整理が必要とわかっていても、ついついほったらかしになりがちです。そうならないように、作成したらすぐに整理するか、最初から分類先のフォルダにコンテンツを作成します。誤って違うフォルダにファイルを保存しても、命名規則が明確なら、簡単に見分けがつくはずです。何の心配もいりません。

Dropbox に保存されるファイルとフォルダの例として、フォルダ、ドキュメント、グラフを含む 6 つのアイコンを示すイラスト。

7. 重要度の高いドキュメントは安全な方法で保管する

パスワードによるファイルの保護は、重要なドキュメントを保護するのによく使われる方法です。また、クラウド ストレージ ソリューションの中には、数回クリックするだけで、ドキュメントのアクセス権の付与や削除ができるものもあります。どちらも、ビジネス用ファイルの保護に用いられる、スマートなサイバー セキュリティ戦略です。

ときには、パスワード以外にもファイルのセキュリティ対策が必要になります。たとえば、顧客の個人情報などの機密データが含まれている場合や、新製品の試作品を作っていて、競合企業に情報を知られてはならない場合などがあります。あるいは、そのニーズは仕事とは無関係かもしれません。高齢の両親の重要書類を代わりに保管することになったとしたら、やはりどこか安全な場所が必要です。

Dropbox を利用すると、機密性の高い情報をクラウドに安全に保管できます。整理も簡単です。Dropbox は、次のような豊富なセキュリティ機能により、アカウントに保存されているファイル、フォルダ、データを保護します。

  • 2 要素認証
  • 高度なファイル共有と権限
  • 安全な 256 ビットの AES 暗号化と SSL/TLS 暗号化テクノロジー
  • ファイルとフォルダの復元

その他にも多くの機能があります。

8. 紙のドキュメントのデジタル コピーを作成する

ビジネスが、ほぼ完全にオンライン ベースだとしても、紙のドキュメントや物理的な資産が今後一切なくなることはないでしょう。でも、ファイルの管理にあたって、デジタル ファイルと物理的な資産を分ける必要はありません。単に、物理的な資産をデジタル化して、他のデジタル ファイルと同じように整理すればよいのです。

方法の 1 つは、ドキュメント スキャナーを使って、スマートフォンから直接、領収書や身分証明書、写真などをスキャンすることです。そうすれば、取り込んだドキュメントを即座にファイルとして整理できます。また、クラウド ストレージに光学文字認識(OCR)機能が組み込まれていれば、スキャンした画像をテキスト検索が可能な PDF に変換できます。

提出し忘れた契約書を見つけたいのに署名者の名前しか思い出せなくても心配は無用です。署名者の名前でストレージ内を検索するだけで、その名前が書かれた契約書の PDF を OCR がすぐ見つけ出してくれます。

9. 使用されていないファイルは思い切って削除する

古いファイルの削除やアーカイブは 1 回限りの作業ではありません。パソコンのファイルを効果的に管理したいのなら、時々ざっと状況を見直すことが必要です。削除しても差し支えのないファイルの多さに驚くかもしれません。

一番の方法は、自分用にリマインダーを設定することです。ファイルの整理が終わったら、不要なファイルを削除するための時間を別にとっておいてファイルを管理し維持することが、ハード ドライブとクラウド ストレージの容量節約に最適な方法です。

10. ファイルとパソコンを定期的にバックアップする

最後にもう一つ大事なことがあります。ファイルとフォルダは、常にすべてバックアップをとってください。念のために申し上げると、いくらファイルを整理して管理しても、バックアップをとらなければ、すべてが無駄になってしまいます。バックアップがない状態で、ビジネス全体の拠り所となっているパソコンを紛失したり壊したりしたら、すぐに大問題になります。

以前にも触れましたが、外付けハード ドライブはファイルのバックアップに適しています。ただし、外付けハード ドライブも簡単に紛失したり、盗まれたり、壊れたりする可能性があります。そうなると、一からやり直さなければなりません。クラウド バックアップは、この問題を解消する優れた方法です。しかも、いつでもどこでもバックアップを参照できます。

ファイルとフォルダを Dropbox にバックアップすると、コンテンツは安全に保たれ、必要なときにいつでも簡単に復元できます。パソコンやハード ドライブが壊れたり盗難にあった場合でも、クラウド ストレージからファイルとフォルダに簡単にアクセスし、新しいデバイスに復元できます。

インターネットに接続できない環境でも心配はいりません。Dropbox を使えば、オフラインのままファイルを利用できます。再びインターネットに接続したときに、オフラインで加えた変更内容が自動的に同期されます。

安心の自動バックアップ設定

Dropbox Backup を使用すると、ファイルを安全に保管し、どのバージョンでも簡単に復元できます。何があっても万全に備えられます。

すべてのファイルをまとめて管理できる場所

デジタル ファイルの管理は、適切なストレージ ソリューションを見つけることから始めるのが一番です。安全で使いやすい Dropbox のクラウド ストレージを利用すると、ファイルとフォルダを整理された状態で簡単に保管できます。でも、それだけではありません。

Dropbox は、一元的なコラボレーション ハブとしても使えます。安全な場所に保管されたファイルとフォルダに、パソコン、スマートフォン、タブレットから、必要なときいつでもアクセスできます。クライアント、顧客、共同編集者に自分の作品を送る場合は、ファイルとフォルダの共有リンクを作成するだけで簡単にできます。また、たとえパソコンをなくしても、あるいは最終的にパソコンが壊れてファイルにアクセスできなくなっても、Dropbox なら、整理整頓された安全な状態でファイルを維持できます。

Dropbox インターフェースを視覚的に表現した図。Dropbox アカウントに保存されたファイルが表示されています。

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