ビジネスに適したデータ セキュリティとコンプライアンスについて
AI からスマート共同作業ツールやクラウド ソリューションまで、新しいテクノロジーがあらゆる場所に存在し、ビジネスの運営方法を変革しています。しかし、イノベーションにはリスクの増大が伴います。テクノロジーの能力が向上するにつれて、セキュリティの脅威やコンプライアンスの課題も増大します。
サイバー犯罪は増加しており、世界的な被害は、2030 年までに 19.7 兆ドルに達すると予測されています。同時に、規制も厳格化しており、コンプライアンスはかつてないほど複雑になっています。
では、テクノロジーとコンプライアンスが絶えず変化する環境において、企業はどのように対応できるでしょうか?
Dropbox では、セキュリティとコンプライアンスは後から追加するものではなく、最初から組み込まれています。Dropbox では、エンドツーエンドの暗号化からきめ細かなアクセス制御、コンプライアンスの自動化まで備えています。IT リーダーが機密データの保護、可視性の確保、複雑さの軽減を実現し、チームが次に取り組むべきことに集中できるよう支援します。
Dropbox が安全でシームレスな共同作業をどのように実現するかを、以下でご確認ください。
データ セキュリティ コンプライアンスとは
会社が何らかの形でデータ(氏名や住所などの顧客情報、あらゆる形式のデジタル記録など)を扱う場合、データは厳しい規制基準の対象になります。具体的な規制はビジネスの性質やデータそのものによって異なりますが、基本的概念は同じです。
データ コンプライアンスは、規制要件に準拠した方法でデータを管理するプロセスであり、正しく実行されていることを確認するのはあなたの責任です。
データ コンプライアンスを維持するために、IT リーダーは、セキュリティ、データの整合性、および規制準拠を強化するガバナンス フレームワーク、ツール、ポリシーを使用します。コンプライアンスの核心にあるのは、機密データの機密性、可用性、整合性を確保することです。
コンプライアンス違反のリスク
データ セキュリティは深刻な問題です。コンプライアンス基準を満たせない企業は、その結果として、財務的損失や評判の失墜といった深刻な影響に直面します。
規制違反の罰金
法的な罰則と罰金は、会社の財務安定に深刻な影響を与える可能性があります。たとえば、GDPR 違反の場合の制裁金は最大 1,000 万ユーロ、または組織の前会計年度における全世界の売上高の 2% に相当し、数百万ドルの罰金につながる可能性があります。
データ漏洩
データ セキュリティ対策が不十分だと、機密情報がサイバー攻撃やデータ侵害に対して脆弱になり、機密データの喪失や漏洩が発生します。2024 年のデータ侵害の損害額は平均 488 万ドルで、これは大企業であっても、深刻な打撃となりかねない金額です。企業の財政面に打撃を与えるだけでなく、顧客の信頼を大きく損なうことになり、そこから立て直すのは容易ではありません。
信用の失墜
データ侵害やコンプライアンス違反の公表は、組織の評判に深刻なダメージを与え、顧客や株主の信用や信頼、競合優位性の喪失につながる可能性があります。実際、Vercara の最近のレポートによると、66 % の消費者が、データ漏洩が発生した企業は信頼しなくなると回答しており、収益と市場ポジショニングに影響を与えることが明らかになっています。
一般的な規制コンプライアンス基準とは
コンプラアインスについて真剣に考えるなら、どのような基準に従って業務を行っているのかを把握する必要があります。準拠する必要がある具体的な基準は、ビジネスの性質や顧客との関与の方法により異なります。ビジネスに適用される基準を徹底的に調査し、準拠するのは自社の責任です。しかし、まずは、より一般的な規制基準をいくつか確認していきましょう。
HIPAA(米国の医療保険の携行性や責任に関する法律)
HIPAA は、保護医療情報(PHI)がいつ、どのように共有されるか、誰が共有できるかを規定しています。HIPAA 違反は、誰かが許可なく医療情報にアクセス、使用、または共有したときに発生します。これは、情報が暗号化されていない、不適切な人と共有した、適切に破棄されなかったなど、さまざまなことが原因で発生する可能性があります。
GDPR(一般データ保護規則)
GDPR は欧州連合の規制であり、個人のプライバシーを保護するために、個人データの収集、処理、保存について規定したものです。組織には、明確な同意を得ること、データ セキュリティを確保すること、ユーザーに対して自身のデータへのアクセス、修正、削除などの権利を付与することが求められます。
企業が、いずれかの段階でこれらの要件に従わないと、GDPR に違反したと見なされます。たとえば、同意を得ずに顧客データを扱うこと、セキュリティ対策が不十分であること、データ侵害が発生しても 72 時間以内に報告しないことなどが該当します。
SOC 2(Service Organization Control 2)
SOC 2 の目的は、5 つの重要な信頼原則(セキュリティ、可用性、処理の完全性、機密保持、プライバシー)に従って、顧客データがサービス プロバイダーによって適切に処理され、保護されることを保証することです。
違反とみなされるのは、これらの基準を満たしていない場合です。たとえば、セキュリティが不十分である、許可されていない人物がデータにアクセスできてしまう、監視が行われていない、といったケースが該当します。
ISO 27001(情報セキュリティ マネジメント システム)
ISO 27001 は、情報セキュリティ マネジメントの国際基準であり、組織がデータを保護するためにセキュリティ制御を確立、実施、および維持することを求めます。
ISO 27001 違反は、組織がリスクを評価していない場合、適切なセキュリティ対策を実施していない場合、コンプライアンスを維持していない場合などに発生します。
PCI DSS(PCI データ セキュリティ基準)
PCI DSS は、詐欺や侵害を防ぐためにクレジット カード データの取り扱いに関するセキュリティ要件を定めたものです。企業が何らかの形(例:オンライン ショップ ページ)でカード決済を受け入れる場合、PCI DSS について考慮する必要があります。
PCI DSS 違反には、カード所有者データの不適切な保存、効果の低い暗号化、アクセス制御の欠如、セキュリティ監査の不合格などがあります。
CCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)
カリフォルニア州を拠点にしているか、同州で事業を運営している場合、カリフォルニア州消費者プライバシー法について認識しておく必要があります。CCPA は、カリフォルニア州の居住者に、自身の個人データへのアクセス、削除、データ販売のオプトアウトなどに関する権利を与えるものです。
対象となるのは実店舗だけではありません。カリフォルニア州で事業を展開していなくても、ウェブサイトやリモート サービスのいずれかの段階でカリフォルニア州居住者から個人データを収集する場合、CCPA に準拠する必要があります。
企業がカリフォルニア州居住者から適切な開示なしに個人データを収集、共有、または売却した場合、または消費者の権利を尊重しなかった場合、CCPA 違反と見なされます。
企業がコンプライアンス対応のクラウド ストレージ ソリューションを選ぶ際に注目すべき要素
データ コンプライアンスは、ビジネスの運営方法だけでなく、使用しているテクノロジーやサービスにも適用されます。たとえば、市場でクラウド ストレージ ソリューションを探しているとします。プロバイダを選択するときは、コンプライアンスに影響を与える可能性がある要素を考慮することが重要です。いくつか例を見てみましょう。
データの暗号化とアクセス制御
ソリューションは、保管中のファイルの AES-256 暗号化などの堅牢な暗号化方式や、許可された個人にのみデータ アクセスを限定するきめ細かいアクセス制御を採用している必要があります。
コンプライアンス認証(SOC 2、ISO 27001、GDPR、HIPAA)
業界の基準および規制に準拠していることを示す、関連するコンプライアンス認証を取得しているソリューションを選んでください。
監査ログとアクティビティの追跡
ソリューションは、疑わしいアクティビティを監視して調査できるよう、詳細な監査ログとアクティビティ追跡機能を提供する必要があります。
自動コンプライアンス ワークフロー
コンプライアンス プロセスを効率化し、手作業を減らすために、自動化されたコンプライアンス ワークフローを提供するソリューションを探してください。
Microsoft 365 や Google Workspace などの企業ツールとの統合
一般的に使用されているエンタープライズ ツールとのシームレスな統合は、生産性を高め、コンプライアンス管理を簡素化します。

Dropbox がデータ セキュリティとコンプライアンス対応をシンプルにする方法
ビジネス、スタッフ、顧客がすべてデータのセキュリティに依存している場合、信頼できると確信を持てるプラットフォームやプロバイダと連携することが重要です。Dropbox は Fortune 500 企業の 56 % から信頼されているだけでなく、企業がデータ セキュリティ コンプライアンス要件を満たすのに役立つ、包括的なセキュリティ機能とコンプライアンス認証を提供しています。
保管中と転送中の暗号化:業界標準の保護
- 保管中のファイルを安全に保つ AES-256 暗号化は、保管されているデータを確実に保護します。
- TLS/SSL は転送中のファイルを暗号化して、アップロード、同期、共有時に傍受されるのを防ぎます。
- これらの暗号化方式は、クラウド セキュリティとコンプライアンスの標準です。
エンドツーエンドの暗号化(E2EE):高リスク データ向けの高度なセキュリティ
- 保管中 / 転送中の標準の暗号化と異なり、E2EE は、アクセス キーを持つユーザーのみがファイルを復号化できるようにします。
- Dropbox は E2EE フォルダに保管されているファイルにアクセスできません。これにより、機密データのセキュリティをもう一段階強化できます。
- E2EE は、財務、法務、および機密性の高いファイルに推奨されます。
きめ細かい管理者向け機能と監査ログ
- 管理コンソールは、IT 管理者に、ファイルのアクセスと権限に対するきめ細かい制御と可視性を提供します。
- 監査ログは、セキュリティ監視とコンプライアンス レポートのためにファイル アクティビティを追跡します。
規制コンプライアンスと認証
- Dropbox は、SOC 2、ISO 27001、HIPAA、および GDPR コンプライアンス認証を取得しており、企業がセキュリティおよびプライバシー規制の要件を満たせるよう支援します。
コンプライアンスの自動化のためのシームレスな統合
- Dropbox は、Microsoft 365、Google Workspace、その他のエンタープライズ ツールとシームレスに統合して、コンプライアンス ワークフローの自動化とデータ管理の簡素化を可能にします。
- さらに、IT チームはセキュリティ ポリシーとアクセス管理を自動化できます。

組織でデータ セキュリティとコンプライアンスを確保する手順
データ セキュリティは複雑であり、コンプライアンスのニーズはビジネスによって異なります。ただし、データの安全性とコンプライアンスの維持に役立つ一般的なベスト プラクティスがあります。
効率的なデータ セキュリティ コンプライアンスを確保するため、企業は次の実践的な手順に従うことができます。
アクセス制御とユーザー管理の実装
- 多要素認証(MFA)とシングル サインオン(SSO)を有効にして、ユーザー アカウントのセキュリティをもう一段階強化します。
- ロールベースのアクセス制御(RBAC)を実装して、職務上の役割と責任に基づいて機密ファイルへのアクセスを制限します。
データ ガバナンスと監査の自動化
- Dropbox 管理コンソールを利用して、包括的なコンプライアンスの追跡と管理を行います。
- 自動保持ポリシーと監査ログを設定して、ファイル アクセスを追跡します。
安全な共同作業と外部とのファイル共有
- パスワードで保護された有効期限付きのファイル リンクを使用して、外部パートナーと安全にファイルを共有します。
- 共有ドキュメントへの不正アクセスを制限して、データのプライバシーを維持します。
Dropbox でコンプライアンス戦略を強化
必要なのは単なるクラウド ストレージではありません。複雑さを増やさず機密データを保護できる、安全でコンプライアンス対応のソリューションです。
Dropbox を使用すると、エンタープライズグレードの暗号化、強力なアクセス制御、自動化されたコンプライアンス ツールにより、コンプライアンスを簡単に維持できます。セキュリティ ポリシーの適用、ビジネスクリティカルなデータの保護、変化する規制への対応を、すべて 1 か所で行うことができます。
Dropbox が IT チームによるセキュリティとコンプライアンスのスムーズな管理をどのように支援するかをご覧ください。
よくある質問
規制コンプライアンスは、GDPR、HIPAA、SOC 2、ISO 27001 など、データの収集、ストレージ、および使用を規定する法律、規制、業界標準を順守することを指します。
主なデータ セキュリティ コンプライアンス規制には、GDPR(一般データ保護規則)、HIPAA(米国の医療保険の携行性や責任に関する法律)、SOC 2(Service Organization Control 2)、ISO 27001(情報セキュリティ マネジメント システム)、PCI DSS(PCI データ セキュリティ標準)などがあります。
企業は、堅牢なセキュリティ対策の導入、定期的なセキュリティ監査の実施、データの取り扱いに関する社員教育の実施、最新の規制変更を常に把握することにより、データ セキュリティ規制へのコンプライアンスを確保できます。


